【なでしこジャパン】高倉監督が自信の金宣言「W杯優勝の過去にすがらず、新しい時代築く」

なでしこジャパン・高倉監督

サッカー女子なでしこジャパンの高倉麻子監督(52)が報道各社の合同インタビューに応じ、来夏の東京五輪に向けて意欲を語った。世界を驚かせた2011年ドイツ女子W杯優勝から10年の節目を迎える今年、再び世界制覇を期待される中、指揮官が思い描く〝金メダル〟プランとは――。

――五輪に向けてメンバー選考の全体像は

高倉:ポジションのユーティリティー性を含めて誰がどこで計算できるか、もう一度洗いながら決めていきたい。30~40人の枠の中での選抜になっていく。

――今後の予定は

高倉:1月末に招集し、米国に行く。海外の強豪と(試合が)できるので可能性を感じている選手を使って国際試合で通用するか見るのが大事なポイントになる。月に1回キャンプをやっていくので、そこで(メンバーを)絞り込んでいく。

――東京五輪が延期されて心境の変化は

高倉:日本の戦い方は変わらない。メンバーのところは少し〝絵〟が変わってくる。チームづくりはまた幅が大きくなった。

――これまでは「金メダルと」いう言葉がよく出ていたが、あまり聞かれなくなった

高倉:最近はメダルと言っているが、ひそかには狙っている。金メダルを狙っていることは間違いない。取れるとしか思っていない。

――五輪参加国の印象は

高倉:米国はスタイルも出ているし、戦いもあまり変わっていない。日本のほうは若い選手がU―17、U―20(W杯)で優勝という大きな強みがある。選手も国際大会でひるむことがない。そのへんは期待しながら、今までにプラスアルファして大きな力が日本には加わってくる。

――W杯優勝から10年。どう変わったか

高倉:女子を取り巻く環境は金銭的な部分やチームの待遇を含めて決していいとは言えない中、育成は地道に頑張ってきた。リオデジャネイロ五輪(女子は出場権を得られず)を含め結果を出せない時間が続いているが、全体としては少しずつでも積み上げをしていく強い思いがある。今は光が見えてきていると感じる。いつまでも10年前の栄光にすがるのではなく過去のものにしないといけない。新しい時代を築いていければ。

――代表選考は現在どんなイメージか

高倉:正直、半分くらいはこういった選手たちでと考えている。半分から3分の2は、ある程度この選手たちがコンディションを整えてくれればというのはある。あとは変化のつけ方。試合の流れの中でもどういった流れが多くなるのかで、絞り込んでいきたい。

――選手にどんな発信をしてほしいか。澤穂希さんが引退し、目立つ選手が出てこない

高倉:どうしてもメディアで取り上げていただいたり、話題性があるという意味では象徴的な存在がいるというのは大きなこと。そういった選手が出てきてほしいなと思いながらも、選手に自分のSNSを含め「世間の方々にアピールすれば」と話しているが、選手もやりすぎるといろんなことを言われたりすることもあるみたいなので…。選手を売り込んでいくというところでは、プレーでも人としてもすてきな選手がたくさんいるので、ピックアップしながら話題性をつくりながら出てくればいいかなと思うけど。

――そうですね

高倉:みなさん(メディア)のお力も大きなものとは思うが、女の子のスポーツ選手を取り上げるときに難しいのは、容姿のところでかわいらしければ、それがピックアップされ過ぎてしまう。実力的な評価や人としての素晴らしさをアピールしながら、みなさんもそういったところに注目しながら取り上げていただけたら女子サッカーの魅力がもっと伝わっていくと思うので、よろしくお願いします。(続く)

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