【政界女子トーク】ゆづか姫&元仮面女子・橋本ゆき区議〝おじさん政治をぶっ壊す!〟

国会議事堂前で意気込む新藤氏(左)と橋本氏。2人国政の場に立つ日は近い?

女性の政治分野への進出が少ないといわれる中、2020年に規格外のミレニアル世代が話題となった。地下アイドル「仮面女子」元メンバーで、東京・渋谷区議の橋本ゆき氏(28)と、ネット配信者でNHKから自国民を守る党(NHKから国民を守る党から党名変更)の広報室長を務める“ゆづか姫”こと新藤加菜氏(27)だ。アイドル出身、高学歴かつ20代の若さで政界に飛び込み、新風を巻き起こした2人はプライベートでも親しい間柄。次代を担う政界女子は、政治の世界をどう見て、21年はどんなサプライズを起こすのか?

橋本氏:かなちゃんとは、共通の知人がいて、その子から「めちゃくちゃかわいい子がいる!」というのを以前から聞いていたんです。そしたら「北区都議補選に出馬した!」と聞いて、写真を見たらすごくかわいい。演説を見に行ったら、「本物がいる!」って驚きました。

新藤氏:ゆきちゃんが東大合格を目指す受験生アイドルのころから、存在は知っていました。私も同世代で、受験の時は密着されたくないなあと思って見ていた。選挙の時に声をかけられて、びっくりでした。

橋本氏:選挙の後に飲みに行って、政党は違うけれど、政治に対する姿勢とかおかしいと思ったことには言わずにいられないところなど気が合って、盛り上がったんです。

新藤氏:ゆきちゃんは、「あたらしい党」の代表選に出馬して、音喜多さん(駿・日本維新の会所属の参院議員)と争ったんだよね。

橋本氏:結果は負けちゃったけど、チャレンジして良かったです。あたらしい党は既存政党ができないことをやると言っていたのに既存政党(維新)と組んで…。自分がなぜ、その党にいるのか誠実でいられなくて、代表選後に一段落してから離党しました。政治家として何を重要視するのか、すごく考えて、姿勢を固めることができた。

新藤氏:ウチの党でいえば立花(孝志)党首に「どいてください。私が党首になります」ってことでしょ(笑い)。確かに党首がNHK問題をやっていないとなったら違うかなとなるが、本当にぶっ壊そうとしている。まして、ゆきちゃんは現職議員で次のことも考えれば、長い物に巻かれてもいいところなのに自分の信じていることを優先させているのは素晴らしいし、カッコイイ!

橋本氏:かなちゃんもセンセーショナルな選挙ポスターでデビューして、パッと話題を集めて、日本中に存在をアピールした。私が政治の世界に入った理由の一つに若い人や女性が参加しやすくしたいというのがあって、いろんなスタイルの人が出た方が間口は広がるという思いがあって、単純にいいじゃんと思った。

新藤氏:理解されづらいが、当選するだけが立候補の理由じゃない。話題になって、自分の考えを認知されることが目的の選挙だったので、アベノマスクブラ・ポスターで達成できた。表現の自由も訴え、ダイレクトに胸の谷間を出しているから、おじさんのエロい心を守ろうとしていると思われるけど、そうじゃなくて、いろんなアプローチからの表現の存在を認めてくださいということですからね(笑い)。

橋本氏:ほとんどの政治家は落選したらどうしようという気持ちが大きくて、選挙自体に意味を持たせようとしない。その点、かなちゃんは自分の作戦を理解していて、覚悟が決まっているからカッコイイ。

新藤氏:実際、永田町で働いてみて、本当に女性がいないことに驚いた。この感じだとおじさま優遇になっちゃうのも仕方がない。私は22年の参院選も30歳以上でないので出馬することができない。衆院選は25歳で、その5歳差は何?ということ。昔からの慣習というけど、時代に合っていない被選挙権の年齢はもう引き下げないと、若者の政治参加は促せない。

橋本氏:なにかにつけ「前例がない」と言われ、つまり未来永劫ないってことになっちゃう。私は選挙活動の時に男の人にさらわれそうになったことがあって、駅や街頭に立たなくても活動できる方法とか、選挙公報やうるさいだけの選挙カーとか選挙の構造を変えていきたい。

新藤氏:本当に政治の世界はオールド・ファッション(時代遅れ)だらけ。21年は衆院選の広島3区から出馬を予定しています。河井克行・案里夫妻の事件で、選挙はお金がないと受からないみたいなイメージが強くなったからこそ、「選挙で有権者の心をつかむためにお金を使うのはおかしい」というアプローチで、ネット中心にやっていきたい。

橋本氏:21年は3年目なので、この分野は誰にも負けないというスペシャリストになりたいし、話題になっているアフターピルの市販化や産休・育休後の社会復帰など、政治で必ず解決できる問題だと思う。区政では限界はあるものの、逆にできることも多い。今回、初めてかなちゃんとコラボしたけど、同世代の子がもっと増えて、何か強力に発信できることができたらいいな。

新藤氏:私もさまざまな問題提起をしていきたい。次の選挙ポスター? アベノマスクはもう終わっちゃったんで、菅首相が何か配ったりしないかな? もう“スガノマスク”はいいです(笑い)。

☆はしもと・ゆき=1992年、三重県生まれ。桜雪の芸名で東大受験アイドルとして活動。2012年東京大学文科三類に合格。同年、仮面女子デビュー。19年3月に仮面女子を卒業し、4月に渋谷区議選で「あたらしい党」から出馬・当選。20年3月に党代表選に出馬し、7月に離党。現区議会会派「シブヤを笑顔にする会」所属。

☆しんどう・かな 1993年、東京都生まれ。女子学院在学時からニコニコ生放送の配信主として、JK雑談で名をはせる。カナダ留学を経て、2013年早稲田大学法学部合格。2年休学して犬の保護活動に従事。19年卒業後、一般企業勤務を経て、20年7月の東京・北区都議補選、千葉・印西市長選に出馬。現「NHKから自国民を守る党」の広報室長。

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