パドレスの大補強がロッキーズの解体を加速させる可能性も

年末の移籍市場はパドレスの話題で持ちきりとなった。ブレイク・スネル、ダルビッシュ有、金河成(キム・ハソン)を次々に獲得し、「打倒・ドジャース」に向けて戦力を大幅アップさせたのだ。これによりナショナル・リーグ西部地区はドジャースとパドレスの優勝争いがさらに激化すると見られるが、この2強状態は他球団の編成に影響を与える可能性がある。「MLBネットワーク」の解説者であるダン・プリーサックはロッキーズのチーム解体が加速する可能性について言及した。

プリーサックは日本時間12月30日に出演した「MLBネットワーク」の番組内で「(パドレスの大補強によって)ロッキーズはチーム解体への動きを加速させ、ノーラン・アレナードの放出に動くことになると思う」とコメント。「この地区はドジャースが首位の座を独占し、8年連続で地区優勝してきた。今、パドレスはファーストクラスの飛行機に乗り、トップの座を目指している。アレナードは2021年のオールスター・ブレイクまでにトレードされると思う」とナ・リーグ西部地区の状況を分析した。

ロッキーズにとっての問題は、アレナードの放出によってトップクラスの有望株を獲得できる可能性が極めて低いことだ。カブスがダルビッシュの対価として得たパッケージを見てみると、3年5900万ドルの契約を残しているサイ・ヤング賞投票2位の右腕(と控え捕手のビクトル・カラティーニ)の交換で得られたのは、今季7勝のザック・デービースと有望株4名。うち3名は10代の未知数な選手であり、パドレスの有望株ランキング上位10人からは1人も獲得できなかった。

アレナードは6年1億9900万ドルという巨額の契約を残しており、1年後のオフにオプトアウト(契約破棄)の権利を行使してフリーエージェントとなる可能性がある。また、昨季は8年連続のゴールドグラブ賞に輝いたとはいえ、左肩の故障に悩まされ、打率.253、8本塁打、26打点、OPS.738と低調な成績に終わった。ダルビッシュと比較すると、残っている契約の面でも昨季の成績の面でも条件が悪く、ある程度の年俸負担をしなければ放出すらままならないだろう。

とはいえ、優勝争いに加われず、チーム再建すら進まないという無駄な時間を過ごすわけにはいかない。ロッキーズにとって難しい選択を迫られるオフシーズンとなりそうだ。

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