2021年お金を貯めるためにすべきこと、お金のプロが考えた具体的な方法は?

あけましておめでとうございます。2021年はどんな年になるでしょうか。新しい年になるとワクワクしますね。2020年はコロナの影響もあり、環境が大きく変わった年でした。リモートワークやキャッシュレスが進み、働き方やお金との向き合い方が変わりました。

また、コロナショック、そしてポイント投資やスマホ証券の躍進もあり、投資を始めた人が大きく増えました。楽天証券は2020年12月には500万口座を突破した(しかも、9カ月で100万口座増)と発表しました。勢いがありますね。

今回は、2021年お金を貯めるためにすべきことを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。


その1:「先取り」「強制」「自動」でお金が貯まるしくみを味方につける

「お金を貯めること」と「ダイエット」はよく似ていると言われます。どちらも目的・目標を定め、仕組み化(習慣化)することが大事です。

貯蓄を長続きさせるためには、教育資金のため、住宅資金のため、老後資金のためなど、お金を貯める目的を決めましょう。目的がはっきりしたら、それを目標に落とし込みます。ポイントは「目標金額」と「期間」を具体的な数値に落とし込むこと。漠然と「1,000万円貯める」ではなく、「10年間で1,000万円貯めるために、毎月約8万4,000円を貯蓄する」といった具合に、はっきりとした目標を立てるようにしましょう。

さて、目的と目標を立てておしまいでは、NGです。お金を貯められるかどうかは、「お金を貯める」という意識だけでは難しいからです。

お金を確実に貯めていくためのキーワード「先取り」「強制」「自動」の3つが鍵です。

先取り貯蓄は、給料などの収入があったらまず先に貯蓄分を取り分けて、残ったお金で生活のやりくりをする方法です。お金が貯まらない人の多くは、収入が入ったら先に使い、余ったら貯蓄するという「後から貯蓄」をしています。しかし、この方法では月によって使い過ぎてしまい、貯蓄ができないということもあります。

その点、先取り貯蓄なら、先に貯蓄分を確保して、残ったお金で生活しますので、貯蓄できないということがありません。ですから、自然とお金が貯まっていくのです。「先取り」「強制」「自動」の3つのキーワードを実行するならば、具体的には、次のような制度・商品を活用するといいでしょう。

(1) 「財形貯蓄」または「社内預金」
勤務先が毎月の給料から天引きしてお金を貯める制度です。財形貯蓄のうち「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」には利子が非課税となる恩恵があります。また社内預金は、金利が一般の銀行より高メリットもあります。

(2) 「定期預金自動積立」
給与が振り込まれる銀行口座で、定期預金に自動で積み立てする日を給与振込日の翌日に設定すれば、ほぼ給与天引きの状態となり確実にお金を貯めることができます。少しでも利率が高いネット銀行がオススメです。

(3) 「投資信託自動積立」
投資信託は金融機関のプロが投資家から集めたお金をまとめて運用する金融商品。自分で株式や債券の分散を行わなくて良いので、便利な商品といえます。

(4) 「つみたてNISA(積立NISA)」
NISAは投資で得られた利益に対する税金を非課税にできる制度です。つみたてNISAを利用すると、毎年40万円までの投資でから得られる利益を最大20年にわたって非課税にすることができます。つみたてNISA(積立NISA)で買える商品は、金融庁が厳選した投資信託から選びます。いずれも手数料が安く、中長期でお金を増やすことが見込める商品ですので、初心者でも選びやすく、投資をスタートしやすいでしょう。

(5) 「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、老後資産をつくるための制度です。現役時代に一定金額を毎月積み立て運用し、その運用結果を老後に受けとります。運用成果により将来の年金額は決まります。毎月の掛け金が全額所得控除になることで所得税・住民税の負担が減る、運用中の利益に税金がかからないなど、節税効果が大きく得られる制度です。運用商品は、定期預金、保険、投資信託の中から選ぶことになります。

今まったく貯蓄がないのであれば、財形貯蓄や定期預金自動積立を利用して少しずつ貯めましょう。目安は生活費の6ヵ月分、できれば1年分です。これが貯まったら、投資信託自動積立やつみたてNISA・iDeCoなどの制度を活用してお金を増やすことを考えていきます。

先取り貯蓄ができるようになったら、少しでも多く貯蓄に回せるように、支出の削減に取り組みましょう。無駄な出費や衝動買いを抑えてお金を貯められるようになれば、その分目標達成も近づきます。

その2:キャッシュレス決済を活用する

キャッシュレス決済には、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、電子マネー、スマホ決済があります。どれも、現金決済で得られない特典があります。それは「ポイント還元」です。また、現金決済と異なり非接触で決済できるものが多く、感染症対策にもなります。

クレジットカード利用で、購入金額の1%とポイントがついたりしますが、1回のポイント還元は大した金額ではなくでも、積み重ねれば大きな金額になります。買い物をするならキャッシュレス決済の方がお得です。

現在、国からのポイント還元策として「マイナポイント」が実施中です。マイナポイントは、マイナンバーカードを取得した人がマイナポイントを予約することでもらえるポイントです。指定したキャッシュレス決済でチャージまたは買い物をすると、その金額の25%分(上限5000円分)のマイナポイントが受け取れる、というものです。

上限5,000円分ということは、2万円分のチャージや買い物までマイナポイントが受け取れます。マイナポイントは、マイナポイント事業に登録しているキャッシュレス決済サービスのポイントとして受け取ります。たとえばPayPayなら「PayPayボーナス」、nanacoなら「nanacoポイント」として受け取ることができます。

このマイナポイントですが、実は2021年3月に終了予定でしたが、9月まで延長することとなりました。総務省によれば、現在の申込者数は1,000万人程度とのことですが、5,000万人までは利用可能の制度ですので、まだマイナポイント を受け取っていない方は急ぎましょう。

ただし、キャッシュレス決済には注意点があります。それは、お得だからとお金を使いすぎては意味がないということ。キャッシュレス貧乏になりかねないからです。よって、利用した金額の管理はしっかり行いましょう。「何に」「いくら」使ったのかを把握し、予算管理するのが大切です。クレジットカードであれば利用明細、スマホ決済であれば購入履歴で確認ができます。

また、多くのキャッシュレス決済サービスを使用すると家計管理が大変なので、クレジットカードは2枚、電子マネーは1つ、スマホ決済は2つと、5つに収めるのが目安です。もしそれよりも多く利用しているという人は、2021年はサービスを絞ることから始めましょう。

その3:ポイント投資を利用する

Tポイント、dポイント、楽天ポイント、Pontaポイントのいわゆる「4大共通ポイント」をはじめとして、今やさまざまなポイントを投資に利用することができます。ポイント会社と証券会社などがタッグを組んで、ポイント投資のサービスを続々と展開しています。

ポイント投資は、株や投資信託といった金融商品にポイントを利用して投資できるサービスです。通常の投資と同じく、買った商品が値上がりすれば利益が出ますし、逆に値下がりすれば損失が出ますが、ポイント投資の元手は基本的には買い物などで手に入れたポイントですから、仮に値下がりしても手持ちの現金や銀行預金などが減ることはありません。よって、初心者の方でも投資資金がない方でも取り組みやすい投資だといえます。

ポイント投資には、大きくわけて「現金購入型」と「ポイント連動型」の2種類があります。現金購入型は、選んだ株や投資信託を、ポイントを現金に換えて実際に購入し、利益を現金で受け取れるものです。元手がポイントというだけで、あとは本格的な投資です。実際に金融商品を購入することになりますので、証券会社等への口座開設が必要ですが、その分本格的な投資ができます。購入した金融商品を売って引き出せば、現金で受け取ることができます。

対するポイント連動型は、選んだ株や投資信託などの値動きに合わせてポイントが連動して、増減する仕組みになっています。実際に商品を買うわけではないので、証券会社等の口座開設も不要。利益もポイントで受け取ります。金融商品が値上がりしてから引き出すと、より多くのポイントがもらえます。

4大共通ポイントの投資サービス

ポイント投資は基本的にポイントがなければできませんので、「投資に回してもよいポイントがある」ことがポイント投資サービス選びの何よりの条件です。

ポイント投資は、株でも投資信託でも少ないポイントでスタートできるのがメリット。たとえば株なら通常100株単位、数万円〜数十万円は必要ですが、現金購入型なら1株単位、数百ポイント程度から投資できます。さらにポイント連動型ならば、より少ないポイントでも投資できます。

ポイント投資といえども投資ですから、増えることもあれば減ることもあります。しかし、元手は「おまけ」のようなポイントですので、投資のハードルは、自分のお金を出すよりずっと低いでしょう。

また、実際に値動きを見ると「どうして値上がり(値下がり)したのだろう」と気になるはずです。こうしたことから投資を学び、楽しんでいけば、将来の自分の資産運用にもきっと役立ちます。もちろん、ポイントが増えたら嬉しいですよね。投資へのはじめの一歩として、ぜひ試してみてください。

大事なのは、お金のことを真剣に考えて、行動することです。お金は人生を映し出す鏡。行動しか人生は変わりません。ぜひ、一歩を進んでくださいね。

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