【箱根駅伝】伏兵・創価大「予想していなかった」指揮官も驚きの往路初V 

タスキをつなぐ創価大3区の葛西(右)と4区の嶋津(代表撮影)

伏兵がやってのけた! 第97回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の往路が2日に行われ、創価大が往路初優勝。箱根史に新たな1ページを刻んだ。

3年生コンビが創価大を勝利に導いた。4区嶋津雄大は「1位が見えて、気持ちが上がった」と首位を走っていた東海大の佐伯陽生(1年)を猛追。5・6キロ付近で抜き去ると、リードを広げる快走ぶり。進行性の難病「網膜色素変性症」を患いながらも、着実に力をつける実力者が初Vをグッと引き寄せた。

「激坂最速王」の異名を持つ5区三上雄太は、「優勝を確信したのはタスキをもらう前から。4区の嶋津が差をつけてくれたので、自分が順調に走れたら優勝できる」と自信を持って山に飛び込み、有言実行の力走。「みんなが頑張ってくれて1位で(タスキを)くれたので、あとはゴールまで持って行くだけだった」とほほ笑んだ。

就任2年目で快挙を果たした榎木和貴監督(46)は「全く往路優勝は予想していなかった。理想的な展開としては5区で先頭争いまでいけたらいいと考えていた」と驚きの表情だ。今季は新型コロナウイルス禍の影響で出雲駅伝が中止。全日本大学駅伝の出場も逃した。現チームにとって最初で最後の駅伝となったため「目標を箱根に絞るしかなかったところで、選手たちが駅伝で戦いたいという思いを全て箱根にぶつけてくれた」と感謝の言葉を口にした。

復路(3日)の結果次第では初の総合優勝も見えてくるが、指揮官は「後続のことよりも、まずは自分たちがどう100%の力を出し切るか」ときっぱり。よそはよそ、うちはうち。最後までマイペース姿勢で創価旋風を巻き起こす。

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