核廃絶「スタートの年に」 長崎の被爆者ら 20回目正月座り込み

核兵器廃絶と平和な世界の実現を訴え座り込む被爆者ら=長崎市、平和公園

 新年に核兵器廃絶と平和な世界の実現を求める「正月座り込み」(実行委主催)が1日、長崎市松山町の平和公園であった。核兵器の開発や保有、使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約の22日発効を前に、県平和運動センター被爆連の川野浩一議長(80)は「核兵器廃絶のスタートの年にしよう」と訴え、被爆者や高校生ら約50人が平和活動の前進を誓った。
 川野氏は、日本政府が「核廃絶へのアプローチが異なる」として核禁条約に背を向けている現状を批判。「どう打破するかが私たちに課せられた課題だ」と決意を新たにした。
 第23代高校生平和大使の大澤新之介さん(17)=鎮西学院高2年=は、友人が核禁条約を知らない現状を紹介し「同世代から平和の大切さと核兵器廃絶を訴えたい」と抱負を語った。
 昨年11月に提訴した被爆体験者訴訟第2陣原告団の山内武団長(77)は、同市の女性を被爆者と認め被爆者健康手帳の交付を市に命じた昨年12月の長崎地裁判決に言及。「良い流れが来ている。私たちも勝訴に向かって闘っていきたい」と意気込んだ。
 2002年に始まり20回目。「平和」と記した紙を掲げて訴え、午前11時2分に黙とうした。

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