広島・堂林「これでダメだったらしょうがない」 2020年復活の裏に〝終わり〟の覚悟

インタビューで昨季を振り返った広島・堂林

広島・堂林翔太内野手(29)がインタビューに応じ2021年のさらなる飛躍を誓った。昨年は6年ぶりの開幕スタメンを勝ち取ると、111試合に出場し、打率2割7分9厘、14本塁打、58打点とキャリアハイをマーク。全試合出場した12年のブレーク以降はどん底を味わってきたが、8年の時を経て見事な復活を遂げた。復活のきっかけとなったあの人からの助言、そして大切な家族、今年の目標を〝鯉のプリンス〟がたっぷりと語った。

【広島・堂林翔太2021年新春インタビュー(1)】

――2020年は復活のシーズンになった

堂林 今までのことを考えたら充実した一年にはなったかなと思いますが、終わってみても危機感は抜けないですね。

――結果を残したのに

堂林 今まで二軍暮らしが長かったので、またあそこには戻りたくないというのはあります。そういった意味でも危機感は抜けないです。

――背水の陣で臨んだシーズンだった

堂林 佐々岡監督になられて自分も新たな気持ちもありましたし、一年目の時点で今までと同じような見られ方しかできなかったらこの先はないと思っていた。本当のラストチャンス。今までもラストチャンスという言葉は口にしてきたが、今回は本当に終わりと思ってやっていました。

――その意気込みが奏功し、キャンプから結果を残して開幕からも好調だった

堂林 キャンプからいいアピールはできて『これかな』という自信が持てた。コロナの影響で開幕が遅れて準備期間も長かった。これ以上ない準備はしてきたと思ってシーズンに入れたので『もうこれでダメだったらしょうがない』という覚悟も割り切りもありました。以降もそれくらいの気持ちが大事になってくると感じています。

――打撃面では好不調の波が減った

堂林 打席ごとに課題を持って入ることができたのがよかったと思います。(鈴木)誠也やアツさん(会沢捕手)にも聞いて、自分の頭の中をリセットして『次これやってみよう』ということが試合に出ながらできたと思う。

――オフの自主トレを一緒にした鈴木誠の存在は後輩ながら心強かったか

堂林 ちょっと安打が出なかった時でも『どうなってる?』っていうのを聞いたらすぐに返ってくるし、引き出しの数というのは、ああやって成績を残している選手なので僕よりも何倍も何十倍も持っている。だから悪いなりにも安打を拾っていけるんだと思う。超一流選手だなというのはすごく感じます。

――OBの新井貴浩さんからの助言も大きかったようだが

堂林 そうですね。そこが戻れる場所になった。ちょっと悪くなったら言われたことを思い出して戻ってみようと。新井さんに言われたバットのヘッドをギリギリまでキープさせて、一気に爆発させるというのがベースになっていました。

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