【取材のウラ側 現場ノート】「スポーツって運動だけじゃないよ」。先日インタビューした室伏広治スポーツ庁長官(46)が発したひと言に思わず耳を疑った。
学生時代に野球をやっていた私にとって「スポーツは全力で動くものだ」という固定観念があった。しかし、社会人になってから「みなさん運動する時間ないでしょ」と室伏長官が語るように体を動かす機会が激減。「運動しないとヤバいな」と一人反省会を開きながらも、なかなか運動できない日が続いていた。
そこで、室伏長官が提案してくれたのが日常生活でのトレーニングだ。「通勤時に少し速めに歩いたり、階段を使ったり、1日の中での身体活動量をいかにして上げていくかってことが大事」。そういえば、最近はエスカレーターばかりに頼っていたなと思う。
さらに、あの「新聞紙エクササイズ」も伝授された。やり方は読み終わった新聞紙を広げて、片手でクシャクシャと丸めるだけだが、3セットもやれば腕はパンパンになる。そんな私を見た室伏長官は「結構運動にもなるし、ケガもしないでしょ?」とニヤリ。スポーツの形って無限大だなと実感した。
エスカレーターを使わない生活は少ししんどい。ただ、その分心地よい疲労感が襲ってくる。これからは、日常生活から積極的に体を動かしていこう。(五輪担当・中西崇太)