急拡大しているナラ枯れ問題で、座間市内の市民団体が予防の取り組みを始めた。対象は行政の管理が及ばない民有林。落枝や倒木の危険性がありながら、認識不足で放置される懸念があるためだ。被害拡大を食い止めるには早期の対策が不可欠で、市民団体は所有者らに注意を呼び掛けている。
市民団体は昨年4月に会員6人で発足した「座間安全・安心推進会」。小林覚代表(73)は5年前から街路樹の倒木調査などを行ってきたが、昨年の夏に市内の公園でナラ枯れが発生したことを知り、民有林を見て回った。
その結果、ナラ類24本のうち8本に原因となるナラ菌を媒介するカシノナガキクイムシ(カシナガ)の侵入を確認。放置すれば今年の夏以降に枯死に至り、住宅地や道路沿いでは倒木による通行人への被害や、送電線への接触事故などが起きかねないとの懸念を強めたという。
法的には所有者の責任が問われるケースになるが、小林代表は「ナラ枯れは県内では3年前に初めて発生した問題で、まだ一般にはあまり知られていない。市の助成がない中では、所有者が対策費を負担して予防策を講じてもらわなくてはならないのが現状」と課題を指摘する。