【新型コロナ】「一生に一度」成人式苦慮 延期や配信への変更相次ぐ 神奈川

 新型コロナウイルスの感染急拡大で緊急事態宣言の発令が検討されていることを受け、神奈川県内自治体で成人の日の11日などに予定していた成人式の式典を延期したり、動画配信に切り替えたりする決定が相次いだ。先行きが見通せない中、新成人の胸中を思い、対応に頭を悩ませる自治体もある。

 大和市と海老名市は4日、11日に予定していた式典を延期すると発表した。両市とも、延期後の開催日は未定。大和市は新成人約2200人を対象に郵送で通知するとともに、市内の8駅に延期を告知する看板を近く設置する。このほか、横須賀市もすでに延期を決めている。

 茅ケ崎市は11日に市市民文化会館で予定していた「成人のつどい」を動画配信に変更する。動画投稿サイト「ユーチューブ」で、市ゆかりの人物や恩師のメッセージを配信する。新成人約2400人に送ったつどいの案内状に記載されたQRコードを読み取ることで視聴できる。25日まで配信する予定だ。

 一方で、厚木市の小林常良市長は4日の年頭会見で、緊急事態宣言の発令が検討されていることを踏まえ「実施の方向で考えているが、宣言が出た場合は新たな判断が必要」と述べ、情勢を見極める考えを示した。ただ、「成人式は(新成人にとって)一生に一度のことなので何とか実施したいと思っている」とも述べ、判断の難しさをにじませた。川崎市の福田紀彦市長も同日の会見で「開催を前提に準備を進めているが、この数日で判断が変わる可能性がある」と述べた。

© 株式会社神奈川新聞社