宇久の太陽光・風力発電 地域支援基金の創設検討 事業者、住民団体は“懐柔策”と警戒

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国内有数のメガソーラーと風力発電所の建設が計画されている宇久島。畜産業が盛んで草原が広がっている=佐世保市宇久町

 長崎県佐世保市宇久島で大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設を計画する事業者が、地域貢献策として毎年3千万円を拠出し、観光振興などを支援する基金創設を検討している。島内では風力発電所建設を計画する別の事業者も同様の基金創設を模索。一方、生活環境の悪化などを懸念する住民団体は「計画への理解は深まっていない」と指摘し、島民への“懐柔策”ではないかと疑問視する。
 メガソーラーは九電工(福岡市)などが計画。年度内に着工し、2023年の売電開始を目指している。
 九電工などによると、基金は、特産品開発や道路や水路整備、観光振興などの支援に当てる。これとは別に水産振興基金を設け、魚礁や藻場の設置などをサポートする。高速通信網の導入、畜産農家への牧草提供なども検討している。
 島内では日本風力開発(東京)も国内有数の風力発電所建設を計画。毎年2千万円を支出し、畜産業や漁業などを支援する基金創設を住民に提案している。
 一方、メガソーラーと風力発電所の建設計画に対し、生活環境の悪化や発電設備の安全性などを懸念する声も出ている。20年に発足した住民団体「宇久島の生活を守る会」は計画への理解が深まっていないとし、事業者側に説明を要望している。
 同会の佐々木浄榮会長は「地域貢献策は必要だが、まずは島民への十分な説明が先だ。お金で島民を納得させようとしている」と警戒。特定の産業にお金を分配する基金は公平性を欠くとし、「電気料金の無料化など、全島民が恩恵を受ける形にするべきだ」と指摘する。
 事業者側はいずれも「島の発展のため、住民と対話しながら貢献策を考えていく」としている。