【高校サッカー】山梨学院〝ピアノマン〟の一撃でV候補・昌平を撃破

全国高校サッカー選手権の準々決勝が5日に行われ、11大会ぶりの優勝を狙う山梨学院(山梨)が〝ピアノマン〟の一撃で優勝候補の昌平(埼玉)を1―0で撃破した。

Jクラブ内定4選手を擁する昌平が圧倒的有利と目されていたが、前半7分に山梨学院が左サイドのFKから、右サイドにいたDF一瀬大寿(3年)が頭で中央へ折り返し、最後はFW久保壮輝(3年)がヘディングでゴール。最初のチャンスをしっかりものにして先制に成功した。

その後は技術に勝る昌平が圧倒的に攻め込むが、山梨学院は粘り強い守備でゴールを許さない。GK熊倉匠(3年)も好セーブを連発し、懸命の守備で虎の子の1点を守り切った。

殊勲の久保は「DFラインは信頼していたので、自分たち攻撃陣でなんとか点を取ろうと思っていた」と充実の表情を浮かべた。

値千金の一撃を引き出したのが、幼少期から続けてきたピアノだ。

小学校入学前からピアノを習い始め「コンクールや発表会に結構出ていた」というかなりの腕前。「ピアノをやっていると楽譜や曲調でいろいろ気づくことがあるけど、サッカーでも『ここが危ない』とかいろいろ気づいて、後ろからの声掛けに役立っている」とサッカーでも一役買い、独特の感性を磨くことにつながっている。

サッカーとピアノという珍しい〝二刀流〟のストライカーが、チームを全国制覇へと導く。

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