1月10日必着!確定申告がいらない「ふるさと納税 ワンストップ特例制度」を徹底解説

2020年ふるさと納税をした皆さん、ワンストップ特例制度の手続きはお済みですか?ふるさと納税で最も大切なのが、税金の控除・還付を受けるための手続きです。

控除・還付は、確定申告もしくはワンストップ特例制度の申請で手続きすることができます。特に利用する方の多いワンストップ特例制度の申請は、1月10日必着です。

「どうしていいかわからない」「面倒で後回しにしていたら忘れてしまった」という方のためにワンストップ特例制度を詳しく説明します。もし期限までにできなかった場合の対応策もご紹介します。


どんな形で税金が還付・控除されるの?

ふるさと納税は皆さんが応援したい自治体に寄付できる仕組みのことです。収入や世帯状況などに応じて控除上限額が定められ、範囲内で寄付をすると自己負担額2,000円を除いた寄付額相当が、所得税や住民税から還付・控除されます。

例えば、共働きの夫婦で子ども(中学生以下)1人という世帯で給与年収650万円だと、控除上限額はおよそ9万6,000円です。正しく手続きが完了すれば、2,000円を除いた9万4,000円が控除・還付されます。

集まった寄付金は地域の課題解決のために使われており、最近では新型コロナウイルスの治療や感染拡大防止活動に従事する医療関係者の支援、自然災害の復興支援などにも活用されています。

ワンストップ特例制度って何?

ふるさと納税による寄付金控除を受けるには、以前は原則として確定申告が必要でした。しかし、2015年からは確定申告を行わなくても寄付金控除を受けられる「ワンストップ特例制度」が導入されました。

申請条件は大きく3つあります。

・ふるさと納税の寄付先が1年間(1月~12月)で5自治体以内であること。
・確定申告不要な給与所得者であること。
・ふるさと納税以外に確定申告をするものがない方(確定申告不要の方 )であること。

個人事業主の方や、不動産収入がある方、年収または給与所得が2,000万円を超える方、医療費控除などで税金の還付・控除を受ける方などは、確定申告が必要なため、ワンストップ特例制度は利用できません。

ワンストップ特例制度と確定申告の違い

ワンストップ特例制度と確定申告の違いも大きく3つあります。1つ目は寄付が可能な自治体の数です。ワンストップ特例制度は5自治体以内ですが、確定申告は何自治体でも可能です。

2つ目は手続きの簡便さ。企業に勤めている方はお勤め先で年末調整が行われるため、通常は自分で確定申告をする必要はありません。ワンストップ特例制度を利用すれば、煩雑な確定申告手続きをせずに、ふるさと納税の控除を受けられます。

3つ目は控除・還付される税金が違うことです。ワンストップ特例制度で控除対象になるのは住民税のみですが、確定申告では所得税と住民税がそれぞれ控除対象になります。ただし、ワンストップ特例制度では所得税の控除分もまとめて住民税から控除されるため、制度を利用しても、控除上限額に達しない限り、基本的には控除額に差はありません。

控除や還付された額の確認方法は?

それぞれの控除・還付の時期や確認方法を簡単にご紹介します。

ワンストップ特例制度を利用した場合、翌年6月~翌々年5月までの住民税が毎月控除されます。会社員など給料天引きで住民税を収めている方は、ふるさと納税による控除を実感することが少ないかもしれません。

でも、前年の手続きが滞りなくできていれば、納める税額は少なくなっているはずです。6月頃にお勤め先から配布される「住民税決定通知書」で確認してみましょう。

一方、確定申告でふるさと納税の寄付金額を税務申告した場合には、住民税の控除のほか、所得税の還付を受けることができます。還付金は確定申告の際に記載した口座に振り込まれます。還付金額や入金日は確定申告後に送られてくる「国税還付金振込通知書」で確認することができます。

ワンストップ特例制度の申請方法は3ステップ

【ステップ1 申請に必要なもの3点を揃える】

(1) ワンストップ特例制度の特例申請書
特例申請書はお礼品、もしくは寄付金受領証明書と同封されて届く場合があります。また、自治体によってはワンストップ特例申請書の郵送をしていないところや、申請期限の関係で年末は郵送を停止している場合もあります。その場合はインターネット上でダウンロードできます。なくしてしまったり、届いていなかったりする場合にも利用してください。

(2) 本人確認書類
申請にはマイナンバーと本人確認が可能な書類のコピーを同封して提出する必要があります。下記の3パターンのうち、いずれかの方法で本人確認書類を用意しましょう。

(3) 封筒・切手
自治体によっては封筒や切手に代わるものを準備してくれる場合もありますが、そうでない場合もあります。また、自治体からの郵便物をなくしてしまった場合は、自分で準備して送ることも可能ですので安心してください。(STEP3参照)

【ステップ2 申請書類に必要事項を記入】
ワンストップ特例制度の申請用紙(寄付金税額控除に係る申告特例申請書)に必要事項を記入します。記入については記入例を参考にしてください。

ふるさと納税サイトによっては、サイトから申請書を作成すると、住所・氏名や寄付履歴がマイページに登録した情報から自動反映されるサイトもあります。マイナンバーや日付、押印のみで申請用紙を完成させることができて便利です。

【ステップ3 1月10日までに寄付先の自治体に書類を郵送する】
用意した申請書類を寄付先の自治体に郵送します。この時期よく聞くのが、「申請を忘れていた!」と慌てる声です。2020年のふるさと納税寄付に関するワンストップ特例制度申請書提出は2021年1月10日寄付先自治体必着です。毎年翌年の1月10日必着は変わらないので、寄付をしたら忘れないうちに申請しましょう。

ワンストップ特例制度に関して、「どこに送ったらいいか分からない」という質問をいただくことがあります。寄付先の自治体のホームページに記されているほか、各ふるさと納税サイトで検索することもできます。

ワンストップ特例制度の注意点

これまでのご紹介内容と重なる部分もありますが、以下に注意してください。

●寄付先は5自治体まで!
ふるさと納税先の自治体が1年間で5自治体までであることが利用条件です。気づかず6自治体目にも寄付をしてしまったという場合には、すべての寄付を確定申告で申請しなおしましょう。

●ふるさと納税の寄付ごとに申請が必要
ワンストップ特例制度の申請は、寄付ごとに申請が必要です。寄付先が5自治体以内であれば、同じお礼品を複数回申し込んだり、一つの自治体に2回以上寄付をしたりしていても利用できます。ただし、寄付ごとに申請書の提出が必要になりますので、申請漏れが無いよう注意してください。

●提出締切に注意!
申請書提出は寄付した翌年の1月10日寄付先の自治体必着です。また、ワンストップ特例の申請書を提出済の方で、寄付した翌年1月1日までに住所や名前など申請内容(電話番号を除く)に変更があった場合には、この日までに「変更届出書」を提出する必要があります。

●確定申告を行うと、ワンストップ特例制度による申請は無効
確定申告でも控除・還付の申請は可能なので問題ありませんが、それまで申請したワンストップ特例制度の申請がすべて無効になります。確定申告の際にはワンストップ特例制度の申請を行った寄付分も含めて、申請しましょう。

ワンストップ特例制度に間に合わなかったら?

もし、1月10日までに間に合わなければ、確定申告で手続きが可能です。確定申告の期間は基本的に毎年2月16日から3月15日まで。ただし、2019年の申請は新型コロナウイルスの影響で2020年4月17日まで延長され、それ以降も申告が可能になる旨国税庁から発表がありました。2021年の申告期間については国税庁からの情報を確認してください。

「確定申告は難しそう、面倒くさい」という方には、確定申告の書類を簡単に作成できる、さとふるの「カンタン確定申告」が便利です。さとふる会員以外の方も利用可能です。一つの画面に情報を入力するだけで確定申告書が作成できるので、確定申告に苦手意識のある方でも簡単に作成できます。

ご利用におすすめなのは、寄付回数が多く、ワンストップ特例制度の申請回数が多い方です。また、給与支払元が1カ所で年末調整済、かつ年収2,000万円以下の給与所得者の方、また、確定申告の義務がなく、ふるさと納税以外に申告の予定が無い人はどなたでも利用できます。さらに、2019年からは2年目以降の住宅ローン控除を受ける人も使用できるようになりました。

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※今年のご提供は2021年1月下旬からを予定しています

駆け足でご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。寄付先が5自治体以内であれば、「ワンストップ特例制度」はとても便利です。万が一申請を忘れてしまった場合でも2月16日からの確定申告で申請すれば大丈夫ですので安心してください。少しでも皆さんのお役に立てる情報をご提供できていたら嬉しいです。

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