神奈川県、一部手術の延期要請 感染拡大で重症者用の空き9病床に

黒岩知事(資料写真)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、神奈川県の黒岩祐治知事は5日の会見で、医師が延期できると判断した手術や入院は1カ月程度、延期するよう県内の医療機関に要請したと明らかにした。感染者の急増に伴い、4日時点で県内全体の重症患者用の空床数が9床になるなど、病床確保が困難になっているため。知事は「一部の方には不便をおかけするが、救急医療や悪性腫瘍の手術などは維持していく」と述べた。

 要請先は、県独自の医療体制「神奈川モデル」の認定医療機関のうち、新型コロナの陽性患者を受け入れている59カ所。具体的には、形成外科や整形外科などに関する手術や入院の延期を想定している。緊急性の低い手術や入院を延期することで、新型コロナ患者を受け入れ可能な即応病床数の拡大を目指す。

 県は同様の要請を昨年末にも行っていたが、今月4日にあった医療機関との連絡会議で、知事が改めて求めた。医療機関側は、協力する意向を示したという。

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