地元凱旋の竜エースが念願報告「こんにちは、沢村賞を取りました大野雄大です」

京都学園高の沢村栄治銅像の前で沢村賞の金杯を手にほほ笑む中日・大野雄大(代表撮影)

投手最高の栄誉である「沢村賞」に昨季初めて輝いた中日・大野雄大投手(32)が5日、沢村栄治投手の母校・京都学園高(当時は京都商=中退)へ訪れ、受賞の報告を行った。

同校の敷地内に設けられた沢村投手の銅像の前に立つと一礼。持参した沢村賞の金杯を抱えながら「こんにちは、沢村賞を取りました大野雄大です」と話しかける一幕も。年末年始は地元京都に帰省しており「京都に帰って来て、これだけはしたかったというのがこれでした。沢村栄治さんが京都学園高校、昔の京都商業だったということは知っていたので。受賞したときに京都の人間としてあいさつに来たいなと思っていた」と明かした。

同校関係者によると、沢村賞投手が銅像へわざわざ報告に訪れたのは初めてのことという。大野雄は「高校生くらいから銅像があることは知っていたし、一度見てみたいなとずっと思っていた。まさか沢村賞の金杯を持ってここに来られるとは思わなかったのでうれしいです」と感無量の面持ちで話す。

銅像脇の碑文をじっくりと読んでいた竜のエースは「沢村栄治さんは相手打者を抑えていたが、自分のチームが打てなくて点を取ることができなかったときも、文句を一つも言わなかったということが書いてあった。やはりそれは投手としてすごく大切なこと。自分が点を取られへんかったら負けへんということだし、点を取ってくれるまで我慢して投げるということがピッチャーの務め、それが改めて大事なのかなと」と再確認したという。

沢村氏は国際舞台でも活躍したが、大野雄は「日本に沢村栄治ありと、もの凄いアメリカのバッターたちから三振を奪っていた方ですし、今年は五輪が開催できれば、僕も一員として金メダルに貢献したい。沢村栄治さんの足元にも及ばないですが、僕も沢村栄治賞を受賞した人間として、貢献できるように頑張りたい」ときっぱり。沢村魂を胸に秘めながら、改めて東京五輪メンバー入りを果たし、金メダル獲得への熱い思いを見せた。

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