《新型コロナ》時短要請「なぜ飲食店だけ」 客離れ、業界苦境続く

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居酒屋が並ぶJR勝田駅前のメインストリート、昭和通り。人通りは少ない=ひたちなか市勝田中央

新型コロナウイルスの感染拡大で、茨城県は再び酒類を提供する飲食店の営業時間短縮要請に踏み切った。対象は「感染拡大市町村」の6市町と、県内指折りの繁華街である水戸市大工町、土浦市桜町の2カ所で、大工町と桜町はそれぞれキャバクラで集団感染が判明した。6日から時短対象となる飲食店からは「どうしてこの地域なのか」「なぜ飲食店だけ」「またつぶれる店が出る」などと、悲痛な声が上がった。首都圏1都3県に対する政府の緊急事態宣言発令も見込まれる中、飲食店の苦境は続く。

■土浦・桜町
市役所などで昨年11月以降、大規模なクラスター(感染者集団)が発生した土浦市。「感染拡大市町村」ではないものの、同市桜町の飲食店などが時短要請の対象となった。

同市桜町1丁目の居酒屋で40代男性店主は「つくば市や他にも居酒屋はあるのに。ここだけ名指しされてお客が寄り付かなくなる」と憤る。

昨年の時短要請の際は店を閉め、今回は時短の予定だ。「前回の協力金もまだ入金されていない。家賃や人件費の支払いが厳しい」と肩を落とす。

キャバクラやパブなどでつくる桜町飲食業振興協議会は、昨年11月17〜30日に加盟36店が自主休業。その後、12月13日まで県から時短営業を要請された。

同協議会の茂木加津雪副会長(40)は「またか。きついですよ、本当に。またつぶれる店も出てくるんじゃないか」と声を落とす。「協力金だけでは給料を賄い切れない」として、「給料を払うため、客が少なくても店を開けるオーナーも出てくる」と指摘した。

■水戸・大工町
水戸市大工町周辺の飲食店は5日、入り口に正月飾りを付け、年明けの余韻が残る。午後8時近くになっても、寒空の下を歩く人影はまばらだった。

大工町1丁目で居酒屋店主の男性(54)は、時短要請について「仕方がない。(要請に)従う」と諦め顔。「接待を伴う飲食店は大きな影響が起きるのでは」と、町内全体への波及に気をもむ。

居酒屋の30代男性従業員は「個人的には(自粛が)必要と思うが、商売上はどうしようもない」とお手上げの状態だ。別の店の40代男性従業員は「他地域の店とも協力し合わないと」と訴えた。

■勝田駅前
自粛対象市町村に入ったひたちなか市のJR勝田駅前。飲食店が並ぶ駅東口近くで天ぷらや海鮮料理を提供する「六角や」の白石義則店長(46)は、「正直厳しい。感染収束が見えない中、売り上げを少しでも戻そうと頑張っている時に、時短要請は痛い」と唇をかんだ。

午前0時の閉店時間が2時間早まる。白石店長は、「外出自粛を求められればどうしても客足は遠のく」と不安を吐露する。最大26万円の協力金についても、アルバイトや社員の人件費としては「少ない」と頭を抱えた。