長崎の百貨店 「対策徹底したが ついに」 食品売り場で感染拡大

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地階食品売り場の営業休止を知らせる案内板=長崎市、浜屋百貨店

 浜屋百貨店(長崎市)の地階食品売り場で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が確認され、同社は5日夕から地階全体の営業を休止した。「対策は徹底していたが、ついに…」と肩を落とす幹部。市中で感染が広まる中、利用客からは戸惑いや、警戒を一層強める声が聞かれた。
 市によると、クラスターが発生したのは、総菜の全国チェーン「RF1(アール・エフ・ワン)」のテナント。12月29日以降に勤務した社員や学生アルバイトら14人のうち8人の感染を確認。ほか1人が陰性で、残り5人が検査結果待ち。感染者のうち3人は3日まで勤務した。
 浜屋幹部は「できる限りの対策は講じてきた」という。スタッフは入館時に検温を受け、売り場ではマスクを外さない。食品を扱うためビニール手袋を着用、手指消毒も頻繁にしている。換気扇を回し、飛沫(ひまつ)防止用ビニール幕で客側と仕切っており、市も「客や周囲のテナントに感染が広がるリスクは低い」とする。
 ただ、厨房(ちゅうぼう)とショーケースに挟まれた空間に複数のスタッフが密集する構造だった。市は「休憩室ではなく、売り場で感染が広がった可能性が高い」とみる。
 初売りは地階の混雑を避けるため8階に会場を特設し、福袋の個数も入場数も制限。コロナ禍で客足が半減しても安全安心を優先してきたが、幹部は「感染を防ぎきれず、お客さまや関係者にご心配をおかけし申し訳ない」とうなだれる。6日は終日、消毒作業のため地階を休止し、7日に再開する予定。1階以上は6日も営業を続ける。
 5日は「自分は大丈夫か」といった問い合わせの電話が浜屋に30件程度あり、出入り口で休止の告知看板を見て引き返す客の姿も。地階を利用する70代女性客は「年末年始も来たので驚いた。いい食材が買える所なので開いていないと困る」。別の70代女性客は「もうどこで感染者が出てもおかしくない。混み合う場所は一層気を付けなければ」と話した。