東京・豊洲市場も異例の幕開けに 最高値のマグロは…

東京・江東区の豊洲市場で今年最初の取引となる「初競り」が開かれました。ただし、一般客の見学が中止されるなど、異例の幕開けとなりました。

豊洲市場では午前5時すぎ、威勢の良い掛け声が響く中で初競りが始まりました。しかし今年は新型コロナウイルスへの感染防止のため、参加する人数を減らしました。競り場には全国各地から運ばれてきた生マグロや冷凍マグロなどが並び、次々と競り落とされていきました。最も高い値が付いたのは青森県大間港で水揚げされた重さ208.4キロのクロマグロで、市場内の仲卸業者が2084万円で競り落としました。去年=2020年の初競りでは276キロのマグロが1億9320万円の高値で競り落とされましたが、今年は新型コロナの影響などで大幅に値段が下がったとみられています。

例年、初競りの後に大勢の客の前で行われるマグロの解体ショーが恒例となっていたすしチェーンの「すしざんまい」は毎年のように高値を付け、競りを盛り上げてきました。すしざんまいを運営する「喜代村」は、2年連続で最高額でマグロを競り落としていましたが、外出が自粛ムードとなる中、今年は高値での取引をやめました。喜代村の木村清社長は「ことしも初競りでにぎやかにと思ったが、やはり今は耐える時。お客さんも外食業界も苦しんでいるので、苦しみも喜びも分かち合い、コロナを退治して未来が続くように頑張りたい」と語りました。

2021年、市場の1年も静かな幕開けとなりました。

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