石井新監督の起用法に注目 辛島や銀次、釜田…楽天、21年に復活期待の選手は?

楽天・釜田佳直(左)と福山博之【写真:荒川祐史】

福山は昨年9月に支配下復帰「50~60試合に投げてこそ本当の復活」

昨季は優勝候補にも挙げられ、夏場には首位に立っていた楽天は、最終的には失速してBクラスの4位に終わった。石井一久GMが新たに現場の監督を兼ねる今季は、待ったなしで優勝争いを求められる。最速155キロのドラフト1位・早川隆久投手ら即戦力ルーキーにも注目が集まる中、ここでは復活を期待される実力者たちを取り上げる。

○福山博之投手

2014年から中継ぎで4年連続60試合以上に登板したタフネス右腕だが、2019年7月に右肘と右肩のクリーニング手術を受け、同年11月には育成選手に。それでもリハビリを経て、昨年9月21日に再び支配下登録を勝ち取ると、1軍登板14試合、6ホールド、防御率0.75で復活への足掛かりをつくった。明るい性格で歌手の北島三郎に似ていることから「サブちゃん」の愛称で親しまれるムードメーカーだけに、チームへ与える影響も大きい。福山は「50~60試合に投げてこそ本当の復活」と意欲を見せる。

○釜田佳直投手

2012年には高卒新人にして7勝(4敗)、2016年にも先発で7勝(5敗)を挙げた実績があるが、常に故障と背中合わせ。2018年6月に右肩と右肘の手術を受けたこともあって、最近2年はそれぞれ1桁の1軍登板数にとどまっている。昨季2軍では守護神として30試合に登板し、0勝2敗12セーブ、防御率1.89。イースタン・リーグの最多セーブに輝き、今年は1軍でもリリーバーとして復活を目指す。初代エースの岩隈久志氏から受け継いだ背番号「21」はドラフト1位ルーキーの早川に譲ったが、昨年限りで引退した青山浩二氏の「41」を新たに背負う。プロ10年目を迎え「あとがない」と危機感いっぱいだ。

楽天・銀次(左)と藤田一也【写真:荒川祐史】

32歳を迎える銀次、熾烈な内野に割って入れるか

○辛島航投手

2019年は先発と救援を掛け持ちしたフル回転で9勝(6敗)を挙げたが、2020年は中継ぎとして開幕を迎え、13試合1勝2敗1セーブ1ホールド、防御率6.52の不振で2軍落ちした。約1か月調整後、先発として1軍に復帰し、以降は6試合で1勝2敗、防御率4.40だった。先発もリリーフもこなせる器用さをどう最大化させるかがカギか。貴重な左腕だけに、今年は石井監督の起用法も注目される。

○藤田一也内野手

二塁手として3度のゴールデングラブ賞、2度のベストナインを誇り、内野ならどこでも守れる名手だが、昨年は55試合出場、打率.200(35打数7安打)にとどまり、スタメンは1度もなかった。球団からはベテランらしく積極的に若手へアドバイスを送っている点も評価されており、今年1月の自主トレではプロ1年目を終えた小深田、黒川の弟子入り志願を受け入れる。チーム最年長の39歳になるとはいえ「若い選手に負けないようにやっていかないと、この先がなくなる」と指南役に徹するつもりは毛頭ない。

○銀次内野手

2019年は4年ぶりの打率3割(.304)をマークしたが、3年契約の初年度だった2020年は一転、88試合出場で打率.236の不振。スタメンも2019年の139試合(一塁132試合、三塁6試合、二塁1試合、DH1試合)から、54試合(全て一塁手)に激減した。今年も鈴木大、浅村、茂木の内野陣が万全なら、割って入るのは容易ではないが、抜群のバットコントロールで復活を期す。今年2月に32歳となるが、まだまだ老け込む年齢ではない。(Full-Count編集部)

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