【中山金杯】ヒシイグアスが初重賞Vで飛躍の年へ 松山「道中のプレッシャーがきつかった中でよく我慢してくれました」

素質馬ヒシイグアス(ゼッケン9)が覚醒した

2021年のJRAオープニングを飾るGⅢ中山金杯(芝内2000メートル)は1番人気ヒシイグアス(牡5・堀)が優勝。一昨年のGⅢラジオNIKKEI賞(9着)以来となった重賞挑戦でタイトルホルダーの仲間入りを果たした。今後中距離路線でどれだけの存在感を示すのか、検証する。

冬季のハンデGⅢとはいえ、近年は15年ラブリーデイ(同年の宝塚記念、天皇賞・秋)、19年ウインブライト(同年の香港クイーンエリザベス2世カップ、香港カップ)など後のGⅠ馬を輩出しているようにメンバーのレベルアップが目立つレース。今年勝ったヒシイグアスも前記2頭と同じ明け5歳の牡馬。ここから一気にGⅠの主役に躍り出ても不思議はない。

道中は中団馬群で折り合いに専念し、ペースが上がった3角過ぎから進出。直線では2着ココロノトウダイとの叩き合いをきっちり制した。前走(ウェルカムS1着)に続いて騎乗した松山は「思ったポジションは取れたけど、道中のプレッシャーがきつかった中で馬がよく我慢してくれました。(直線)外に出してからはすごい脚。着差(クビ)以上に強い競馬だった。これからの馬だし、さらに上を目指して頑張りたい」。ハンデ54キロでの勝利ながら、底力を強調した。

5歳といっても3歳時はわずか3戦、4歳時の昨年も4走しかしていないヒシイグアスにとってはまだ伸びシロもたっぷりある。

堀調教師が戦前に「緩さはあっても、前走時よりもいい印象を持っている」とコメントしていた通り、2勝クラスを勝つまでに3戦を要した詰めの甘さが3連勝で完全解消したことをアピール。次走は未定だが、今後も目が離せない存在になった。

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