「新型コロナウイルス」関連破たん【1月6日16:00 現在】

 1月6日は16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が9件(倒産9件)判明し、2月からの累計は全国で859件(倒産792件、弁護士一任・準備中67件)となった。

 月別では、103件発生した6月以来、7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが9月は100件で3カ月ぶりに前月を上回り、以降11月まで3カ月連続で100件を上回った。12月も100件は下回ったものの、96件と依然として高止まりで推移。1月は6日時点で16件が判明した。

 なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満の小規模倒産は累計43件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計902件となった。

 新型コロナ破たんは1都3県への緊急事態宣言の再発令を前に900件に達した。さらに今後、飲食店に対する時短営業や外出自粛要請などが広がれば、関連する業種への深刻な影響も懸念される。感染拡大防止のための難しい舵取りが続く一方で、事業環境の悪化で新型コロナ破たんは増勢を強める可能性もあり、細やかな行政支援が求められている。

【都道府県別】(負債1,000万円以上)~ 大分県で10件目が判明 ~

 都道府県別では、東京都が216件(倒産201件、準備中15件)に達し、全体の4分の1(構成比25.1%)を占め、突出している。以下、大阪府が79件(倒産75件、準備中4件)、愛知県43件(倒産42件、準備中1件)、神奈川県(倒産34件、準備中4件)と兵庫県(倒産34件、準備中4件)がそれぞれ38件、北海道が35件(倒産34件、準備中1件)と続く。
 6日は東京都で5件判明したほか、静岡県、広島県、大分県、長崎県で1件ずつ判明。大分県が10件に達し、都道府県別では10~20件未満が14府県、20~30件未満が3県、30件以上は7都道府県に広がっている。

【業種別】(負債1,000万円以上) ~ 飲食業が146件、アパレル82件、建設68件、宿泊60件 ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が146件に達した。首都圏での緊急事態宣言の影響で今後の推移に注目が集まる。
 次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が82件。工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が68件、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が60件と続く。
 また、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が43件、食品製造業も31件と目立ち、飲食業界の不振が影響している。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した842件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で310件(構成比36.8%)。次に、1千万円以上5千万円未満271件(同32.1%)、5千万円以上1億円未満141件(同16.7%)、10億円以上61件(同7.2%)、5億円以上10億円未満59件(同7.0%)の順。
 負債1億円未満が412件(同48.9%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も4件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した792件の形態別では、破産が701件(構成比88.5%)で最多。次いで取引停止処分が45件(同5.6%)、民事再生法が43件(同5.4%)、特別清算3件(同0.3%)と続く。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
 先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した800件の従業員数の合計は1万2,751人にのぼった。
 800件の内訳では従業員5人未満が396件(構成比49.5%)と、半数近くを占めた。次いで、5人以上10人未満が154件(同19.2%)、10人以上20人未満が128件(同16.0%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
 従業員50名以上の破たんは8月以降、月間2件以下の発生にとどまり、小規模化が顕著となっている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

日本地図0106①

‌                (負債1,000万円以上)                  

日本地図0106②

‌                (負債1,000万円未満を含む)                      

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