扇動者はトランプ大統領! 支持者暴徒化で財界から「即時免職」求める声

武装警官と衝突するトランプ支持者たち(ロイター)

米国で7日(現地時間6日)に起きたドナルド・トランプ大統領の支持者による〝議事堂襲撃事件〟に衝撃が走っている。

この日、議会では先月14日に行われた選挙人投票の結果承認が行われていたが、暴徒集団が侵入したことで審議が中断。議事堂内ではデモ隊を排除するために武装警官が催涙ガスが使用し、銃撃戦で白人女性1人が亡くなるなど、およそ民主主義国家とは思えない光景が広がった。

慌てたトランプ氏は議事堂襲撃から2時間後、SNSで「平和的でいるように!」と呼び掛けたが、あとの祭り。

もっと言えば、暴動を焚きつけたのはトランプ氏自身である可能性が高い。トランプ氏は事前に支持者たちに対し「1月6日はワシントンD.C.で大規模デモだ。来てくれ。ワイルドなものになるぞ!」と呼びかけていたからだ。

ワイルドには「野蛮な」といった意味もあり、この日、起こったことはまさに民主主義を脅かしかねない暴力的なデモ。しかも、現職大統領が呼びかけたことは明らかで、米国の歴史上に残る汚点だ。

これを受け、全米製造業協会(NAM)のティモンズ会長は6日、憲法修正第25条を用いてトランプ氏の即時免職を検討するよう政権幹部に要請。1万4000社の製造業者を代表する主要業界団体。修正第25条は、大統領が職務遂行不能となった場合の職務継承について定めている。

ティモンズ会長は現地メディアの取材にトランプ氏は「権力を保持するために暴力をアオった」と指摘。続けて「選出された指導者の中でトランプ氏を擁護している人々は無政府を支持して民主主義を否定している。議事堂から退避したペンス副大統領は民主主義を保つため、他の閣僚とともに修正第25条の発動を真剣に検討すべきだ」と訴えた。

前代未聞の事態に発展しそうだ。

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