ダカールラリー:アル-アティヤ、今大会4度目のSS優勝。日野レンジャーは前日に転倒も競技続行

 サウジアラビア西部の都市ジェッダでスタートを切った2021年のダカールラリー。競技4日目となる1月6日は“ステージ4”が行われ、TOYOTA GAZOO Racingのナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)が3日続けてのステージ優勝を飾るも、Xレイド・ミニ・JCWチームのステファン・ペテランセル(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)も速さをみせ、ダカール通算13勝を誇るベテランが総合首位の座を守っている。
 
 ダカールラリー4日目のステージは、同国南部のワディ・アド・ダワシルから首都リヤドに向かう全長337kmのSSと、476kmのリエゾン(移動区間)からなる全長813kmの今大会最長区間。マシンの耐久性が問われるコースで争われた。
 
 ステージ3、4でベストタイムを記録しているトヨタのアル-アティヤは、不利な先頭スタートにもかかわらず、この日もスピードを発揮。2日に行われたプロローグを含め、今大会4度目となるステージ優勝を飾った。
 
 しかし、そのアル-アティヤのわずか11秒遅れで総合首位のペテランセルが続いたため、両者の総合順位は変わらず。依然としてペテランセルがラリーをリードしている。
 
 ステージ3番手タイムを記録したのは、TOYOTA GAZOO Racingのヘンク・ラテガン(トヨタ・ハイラックス)で、総合7番手から4番手へのポジションアップに成功する。ステージ4番手にはXレイド・ミニ・JCWチームのカルロス・サインツ(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)が入り、こちらも順位をひとつ上げてトップと35分差の総合3番手につけた。
 
 なお、フィニッシュ直後はステージ4番手とされていたバーレーン・レイド・エクストリームのセバスチャン・ローブ(BRXハンター)は、スピード違反による5分のタイムペナルティを受けて後退。ステージ7番手、総合でも前日からひとつ順位を落とす7番手となっている。
 
 今大会、通算14回目の優勝を目指しているペテランセルは、「1日をとおして能力の限界値に近づくのは危険だと感じた」と述べ、最大のライバルであるアル-アティヤのペースに合わせることがハイリスクであると認めた。

 一方、3日連続でSS最速をマークした“砂漠の王”ことアル-アティヤは「このような早い段階で大きなギャップを生み出すのは難しい」としながらも、「僕はハッピーだ」と続け、好調をアピールした。

Xレイド・ミニ・JCWチームのステファン・ペテランセル(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)
バーレーン・レイド・エクストリームのセバスチャン・ローブ(BRXハンター)
TOYOTA GAZOO Racingのヘンク・ラテガン(トヨタ・ハイラックス)
レベリオン・モータースのロマン・デュマ(レベリオンDXX)
Xレイド・ミニ・JCWチームのカルロス・サインツ(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)

■日野チームスガワラ、マシンを修復して競技を継続

 四輪市販車部門でクラス8連覇を狙うチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、三浦昂(TLC VDJ200)が総合44番手につけ、チームメイトのロナルド・バソ(TLC VDJ200)が総合45番手に。4日目も市販車部門のワン・ツーを維持している。

 トラック部門の排気量10リッター未満クラスで11連覇中の日野チームスガワラは、前日のステージ3でマシンが転倒するアクシデントに見舞われた。菅原照仁がドライブする日野レンジャーは137km地点の砂丘で、フロントタイヤを軸にしたかたちで転倒。
 
 幸い搭乗する菅原/染宮弘和/染宮弘和の3名に怪我はなかったものの、レンジャーはキャブが変形してウインドスクリーンが割れ、リヤボディも大きく損傷した。一方、パワートレインやロールバーは無事だっため、チームはビバークでの車両の修復を行い、クルマを4日目のステージに送り出した。

 そんな日野レンジャーは耐久性が求められるステージ4を部門総合15番手タイムで走破し、総合順位は前日の18番手からひとつ上の17番手に。同時にクラス首位を守っている。

 二輪部門では、モンスターエナジー・ホンダチームのホアン・バレダ(ホンダCRF450ラリー)が今大会2度目のステージウインを飾り、総合2番手に浮上した。
 
 総合首位はSS5番手タイムをマークしたHTラリーレイド・ハスクバーナ・レーシングのグザビエ・ドゥ・ソルトレイ(ハスクバーナFR450ラリー)。両者の差はわずか15秒だ。総合3番手にはモンスターエナジー・ヤマハ・ラリーチームのロス・ブランチ(ヤマハWR450Fラリー)がつけている。

 1月7日に行われる“ステージ5”は首都リヤドからアル・カイスマフに至るステージで、SSは全長456km。リエゾンを含めた総走行距離は662kmだ。

モンスターエナジー・ホンダチームのホアン・バレダ(ホンダCRF450ラリー)
ステージ4で2番手となったKTMファクトリー・チームのダニエル・サンダース(KTM 450ファクトリー)
モンスターエナジー・ホンダチームのケビン・ベナバイズ(ホンダCRF450ラリー)

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