「虎ゼッケンの罠」に注意せよ! 阪神ドラ1・佐藤輝明に母校・近大OBが警告 

いよいよ合同自主トレに臨む阪神・佐藤輝

9日からの新人合同自主トレにむけ、二軍施設の鳴尾浜に入寮した阪神のドラフト1位新人・佐藤輝明内野手(21=近大)に母校・近大OBのスカウト関係者から「ゼッケンマジックに気をつけろ!」との声が飛んでいる。

猛虎では新人合同自主トレ期間中、新人選手は原則、各自の背番号とフルネームの名前がプリントされたビブス着用を義務づけている。視察に来た首脳陣やトレーニングに来た先輩などに顔と名前を覚えてもらうことが目的だ。

ただし、このゼッケンをつけることで嫌でも感じるのは、多方面からの視線だ。これがルーキーにとっては厄介な錯覚を生む可能性があるという。これまでにない〝見られている感〟により、無意識に体に余計な力が入った中で汗を流すため「最初のクールはたいしたメニューでなくても、自分でも『アレッ』っていうぐらいに疲れる。それで『周りより、調整が遅れているのでは…』って勘違いして、焦って急に体への負荷を高めて、ケガ(故障)をする。これが一番良くない」と、ルーキーがハマりやすい〝落とし穴〟を解説する。

前出関係者は「どんな新人でも必ず体験するけどドラ1で注目度の高い佐藤はなおさら。メディアとか常に見られている環境が続くのは初体験だろうから、その環境に無理に抗わないこと。環境に慣れることでそういった張りもとれてくる」。

〝気疲れ〟による体の違和感はベテラン選手でも、キャンプの第1クール終盤に「ユニホームマジック」として出る時があるという。これが新人選手の場合、目に見えぬ緊張感を感じるタイミングが前倒しでやってくるのは無理もないところ。過熱するであろう周囲の空気に惑わされない図太さも、佐藤輝がプロ生活を快調に滑り出すための大事な要素となりそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社