【新日本】棚橋 NEVERベルトに再起のカギを見いだす

棚橋(左)は6日大会で鷹木から挑発を受けた

新日本プロレスの棚橋弘至(44)が、NEVER無差別級王座取りからのエース復権を予告した。王者の鷹木信悟(38)から指名を受け、同王座への初参入が決定的。2019年2月にIWGPヘビー級王座から陥落後、シングル戦線で低迷が続いたが、NEVERベルトに再起のカギを見いだしている。その理由とは――。

4日の東京ドーム大会でグレート―O―カーンを下し、2021年の好スタートを切った棚橋は、6日の東京ドームシティホール大会で鷹木との遺恨が勃発。NEVER戦線に初めて足を踏み入れることになり「持っている選手のカラーが直に出るベルトだなって印象ですね。独特の世界観をつくれるベルトかな」と腕をぶした。

鷹木からは「あんなの俺からしたら逸材じゃねえよ。ただの偽りだよ」とオヤジギャ…いや独特のユーモアで挑発された。だが棚橋は「韻しか踏んでないじゃん、“偽材”のほうが面白いんじゃないかなとも思ったんですけど。ただ鷹木選手のパフォーマンスは素晴らしいです」と反論を最小限にとどめ王者への敬意を示す。

再起への第一歩としてNEVERを選んだのは、王者の実力を高く評価しているからこそでもある。「『行列のできるレスラー』っているんですよ。この選手だったら試合は盛り上がる、という選手ですね。戦いを見ていれば分かるように(相手の)階級、キャリアを問わずにポテンシャルを引き出すというか。かつての棚橋がそうだったわけです。今は開店休業状態で閑古鳥鳴いてますけど」。そんな鷹木からベルトを奪うことで、かつての自分の姿を取り戻すつもりだ。

歴代最多戴冠記録(8回)を持つIWGPヘビー級王座への思いは、もちろん捨ててはいない。「今、(IWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者の)飯伏(幸太)に挑戦っていっても誰も納得しない。段階を見せていかないと。決してNEVERを“下”と言ってるのではなく、ベルト戦線でもこういう戦いができるんだよと(証明する)。取ることで、開ける世界がたくさんあると思うので俺にとっての“変身ベルト”になると思います」。いかにも仮面ライダー好きな例えで、完全復活への展望を明かした。

プロレス界にも暗い影を落とす新型コロナウイルス禍は終息の気配を見せず、7日には1都3県に緊急事態宣言が再発令された。その影響もあり、王座戦の正式決定は遅れているが「世界全体が今、踏ん張りどきなんですよ。こういう時に先頭に立って『頑張っていこうぜ』って言いたい。そのためにも、一つ結果を残さないと」ときっぱり。不屈の精神で戦い続けてきたエースが、緊急事態に再び立ち上がる。

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