和風テイストと洋風文化がミックスされた和洋折衷のスタイルが魅力的な「大正ロマンインテリア」。ここでは、リフォームなどで役立つ大正ロマンインテリアの作り方、おしゃれな内装の実例を紹介します。賃貸や一人暮らしの方でもできる方法もあるので、ぜひ参考にしてください。
大正ロマンとは?
大正ロマンとは、1912~1926年のわずか15年の大正時代の文化を指すことばです。第一次世界大戦、工業の発展、西洋文化の流入……変化の激しかった時代に生まれた独特の文化は、西洋へのあこがれと和の伝統が調和した日本ならではのスタイルです。
伝統的な和風テイストと西洋から入ってきた洋風文化がミックスされた和洋折衷のスタイルが魅力的です。1910年代後半頃から、ヨーロッパやアメリカでは直線的なデザインと幾何学模様などが特徴的なアールデコ様式が大流行。日本でも同様にアールデコらしい装飾様式の建築物が登場しました。
大正時代から100年ほど経った現在、改めて注目されている大正ロマンインテリア。日本の伝統的な建物や重厚な建具、和テイストの家具などを活かしながら洋風の要素を取り入れたレトロな雰囲気が人気です。
大正ロマンインテリアを作るポイント
大正ロマンインテリアといえば、レトロモダン、レトロクラシックといったテイストのいわゆる洋館のような建築や、和洋折衷のハイカラな内装や家具をイメージすると参考にしやすいです。
以下では、どうすれば大正ロマンインテリアをつくることができるのか、具体的な方法についてみていきましょう。
暗めな色のアンティーク家具で揃える
大正ロマン風のインテリアにするには、ダークトーンの家具を組み合わせるのがコツ。重厚感のあるダークカラーの木製家具はクラシカルなイメージを演出するのにぴったりで、インテリアに高級感をプラス。暗めの色のアンティーク家具が、大人っぽい品のよさを醸し出してくれます。
定番カラー「赤」をアクセントに
大正ロマン風インテリアのアクセント定番カラーといえば「赤」。鮮やかな赤色は緑色の畳と相性抜群です。ファブリックや家具に赤を取り入れることで華やかで明るさのある大正ロマンインテリアに。
ただし、取り入れ方によってはポップな印象になってしまうので要注意。あくまでダークトーンの家具と組み合わせ、シックで上品な雰囲気に仕上げましょう。
腰壁を設けて重厚で落ち着いた雰囲気に
腰壁とは、壁の下半分、ちょうど大人の腰くらいの高さの位置まで、板やタイル材、木のパネルなどを張って仕上げた部分のこと。汚れがつきやすい壁の下半分を保護するほか、空間にアクセントをプラスする効果があり、古い教会などでよく目にするかもしれません。
腰壁の位置が高いほど高級感があり落ち着いた雰囲気、位置が低ければややカジュアルな印象になり、高さによって印象が変わります。天井の高さや部屋の広さに合わせるのがおすすめ。
光沢がある上質な木をチョイスするとより華やかなイメージに。部屋の中に腰壁を設けると大正ロマンらしさがアップします。
クラシカルな洋風家具を組み合わせる
重厚でエレガントな雰囲気の西洋家具は、大正ロマン風インテリアの象徴です。色味に加えて細かいデザイン部分の装飾にも趣があるようクラシカルなデザインがおすすめ。
テーブルやちゃぶ台、椅子、チェストなどの脚部分の装飾が凝っているもの、引き出しがある家具なら取っ手部分に金具やアイアン、真鍮などを使いるもの、あるいはほどよくヴィンテージ加工されているものを選ぶといいでしょう。
ソファなどもファブリックではなく、深めの色味のレザーやコーデュロイ、ベルベッドなどの素材感がおすすめです。
格子窓や障子で大正ロマンらしさアップ
大正ロマンインテリアに欠かせないのが格子窓。大正時代には、さまざまなデザインの格子が登場しました。
ガラスやステンドグラスをはめ込んだものや格子を幾何学柄に組んだものなど、装飾性が高いものも。一部に色ガラス入ると一気に華やかになり異国情緒あふれる雰囲気になります。
シンプルなガラス戸や障子戸もおすすめ。個性的な大正ロマンインテリアにしたいなら、洋風のふすまを取り入れるという方法もあります、草花をモチーフにした美しい洋風のふすまはインパクト大。ぱっと目を引くインテリアに仕上がるでしょう。
ステンドガラスでモダンな雰囲気に
大正ロマンの時代に大流行したステンドガラス。カラフルでモダンな雰囲気、教会のような荘厳な空気をまとっています。
窓から差し込む自然光がステンドガラスを通り抜けると、なんともいえない美しい光となって部屋を彩るステンドガラス。ダークカラーの家具と華やかなステンドグラスのコントラストが素敵です。
窓はもちろん、壁にはめ込むことも可能。光がたっぷりと入ってくる場所に設置するのがおすすめです。最近はステンドガラス風のガラスフィルムなども出ているので、ガラスに貼るだけで大正ロマン風インテリアを楽しむことができます。
照明はゴージャスなものを
大正ロマンらしいレトロでゴージャスな雰囲気に仕上げるには照明器具の存在も欠かせません。あえて畳の部屋にシャンデリアを設置すると、和室が一気にクラシカルなイメージになり、和洋折衷の大正ロマンらしさを演出できます。
シャンデリアのほかにも、どこか懐かしさを感じレトロデザインのランプなどもインテリアのアクセントになるでしょう。
部屋の広さや既存家具とのバランスで、シャンデリアのゴージャス感が唐突すぎる場合は、和室用の照明でモダンなデザインのものを選んで。控えめながらしっかりと存在感を放ち、ライトな大正ロマンインテリアをさりげなく演出してくれます。
華やかな絨毯やカーテンを取り入れる
畳の部屋にカーペットを敷く場合は、あえて畳を少し見せながら重めの印象のものをセレクトすると、雰囲気ががらりと変わります。
部屋いっぱいに絨毯をしきつめるときは、控えめな色や柄のものを選んで、レトロなホテルのような雰囲気に。大正ロマンらしさ前面に出した赤系はもちろん、グリーンやブラウン系でも上品で落ち着いた印象です。
カーテンは重みのある素材を選び、生地をたっぷりと使ってヒダを多めに作ったりすると、大正ロマンらしい高級感を出すことができます。装飾を取り入れたり、品のいいレースカーテンとの組み合わせも相性抜群です。
大正ロマンのインテリアを試してみたいなら、ファブリックから始めてみてもいいかもしれません。気軽に取り入れられ、大胆な模様替えなども必要ないので、手軽にイメージチェンジができます。
アンティーク雑貨で手軽にレトロな空間に
ファブリックよりもっと手軽に大正ロマンインテリアを取り入れたいなら、小物や雑貨を導入してみては。
アンティーク調の花瓶に花を飾ったり、小さめの盆栽を置くとほっと落ち着く空間に。壁を飾る場合は、ポスターやイラストなどもおすすめ。レトロな壁かけ時計やガラス食器なども大正ロマンらしさを漂わせてくれます。
プラスチックなどカジュアルに見えがちな小物は避け、色を取り入れる場合もポップになりすぎないように注意。
高級感や本物感を重視するのがポイントです。小さくても雰囲気のある雑貨を選ぶことでインテリア全体をレベルアップしてくれるはず。
大正ロマンのインテリア実例
以下では、大正ロマンインテリアのおしゃれな例を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
和柄が素敵なクラシカル家具
大正ロマン風リビングに欠かせないのが、クラシカルなソファ。背もたれ部分に幾何学模様の透かし彫りがほどこされていたり、アームなどにも上品な装飾があるアンティーク調ソファを取り入れてみて。
一人暮らしやワンルームなどの限られたスペースならコンパクトタイプでも。周りの家具とのバランスや部屋の広さ次第で、空間を圧迫しすぎないサイズを選びましょう。
ノスタルジックなデスクコーディネート
大正時代の偉人が使っていたかのような趣のある書斎、古い洋館の一角にあるような雰囲気に欠かせないのがアンティークのデスク。机の上には小ぶりでモダンなデザインのランプをアクセントにするのもいいでしょう。
もっと大正ロマンらしさを出したいなら、「ロールトップデスク」をチョイスする方法も。ロールトップデスクとは、蛇腹式の扉がついたデスクのこと。
作業するときだけオープンにして、使わないときは扉を閉めておけば、デスクの上の散らかりも気になりません。せっかくアンティークのデスクを取り入れるなら、重厚なデザインが引き立つよう部屋の目立つ場所に配置してみるのもいいかもしれません。
重厚感のあるテレビボード
テレビなど電化製品はどうしても無機質で冷たい空気感をもっています。最新式のテレビが持つ存在感をやわらげくれるのがアンティーク家具の持つあたたかい木の雰囲気。
和室でも洋室でも自然になじむ和洋折衷テイストで重厚感あるローボードを取り入れてみましょう。ガラスがはめ込まれた丸窓などがあるとレトロでモダンなイメージになるでしょう。立体感のある扉や引き出しは、デザイン性と実用性を兼ね備え、見た目も使い勝手も文句なしです。
カラフルでレトロな障子
障子は白無地の障子紙を張るのが一般的ですが、色紙を取り入れることで、まるでステンドグラスのように華やかになります。
全面をカラフルにするのはハードルが高いですが、一部のみ色紙にするだけでも。ビビッドな色は印象が強すぎるので、大正ロマンらしいノスタルジックな雰囲気を表現するには、あくまで暗めのトーンを選ぶのがコツです。
シックな柱とステンドグラスで大正ロマン風に
ガラスの独特の質感は、上品でシックな大正ロマン風インテリアに格上げしてくれます。一部に色ガラスが使われたガラス戸やステンドグラス入りのドアは、ダークカラーの建具の風合いと相まって趣のある空間に。
色や柄を組み合わせて優しい雰囲気に仕上げれば、まるでお屋敷のように優雅で気品あふれるイメージになります。
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