【新型コロナ】横浜の60代感染者が死亡 「入院相当」も保健所が「自宅療養」延長

自宅療養者の死亡について記者会見する県と横浜市の幹部ら=8日午後10時すぎ、県庁

 神奈川県は8日、新型コロナウイルスに感染し自宅で療養していた横浜市の60代男性が死亡したと発表した。年齢や基礎疾患などを点数化する入院基準のスコアは入院相当だったが、市保健所が自宅療養とした。

 男性は昨年12月23日に発症し、38度台の発熱が継続。同31日に平熱に戻ったが、今年1月1日に再び38度台の発熱があり、医療機関を受診した。肺炎像があったものの受診時は解熱しており、全身状態が良好だったため、男性は帰宅。3日に陽性が判明し、スコアは入院相当だったが、療養開始から10日経過し、療養期間が終了していることから自宅療養を3日間延長した。

 県医療危機対策本部職員が男性と最後に連絡を取ったのは4日午後10時ごろ。血中酸素飽和度を聴取したところ、79%と通常を大きく下回っていたが、深夜だったことから経過観察とした。その後、AI(人工知能)による電話で男性に架電してもつながらなかったが、健康観察システムデータの入力漏れがあり、訪問による安否確認ができなかったという。

 6日親族が男性宅を訪れ、倒れていた男性が救急搬送され、死亡が確認された。死因は新型コロナによる肺炎だった。県は「感染者の急増で作業量が増し、実態に追いつかなかった」としている。

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