感染増加止まらずイングランドが再びロックダウンへ @イギリス・ロンドン【1月5日】 新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ

▲年末のカウントダウン

 イングランドでは、1月5日から再びロックダウンとなった。3度目となる今回は、前回よりも厳しい規則が設けられ、不必要とみなされる外出には200ポンド(約2万8000円)の罰金が科せられる。生活に必要なサービス以外は全て閉鎖され、海外旅行や結婚式は急を要する場合のみとなる。葬式は30人まで、礼拝所は個人での訪問はできる。多くの教育機関ではリモート授業が実施されるが、託児所や介護施設などの営業は許可された。「GCSE(General Certificate of Secondary Education・中等教育修了一般資格)」と「A-Level(Advanced level qualifications・日本でいうセンター試験)」の中止も決定した。

 多くの地域ではクリスマス期間中、家族や友人との交流が禁止されたが、依然として1日の感染者数が約5万人と、増加の一途をたどっている。感染拡大を受け、12月22日にはフランスとの海峡トンネルが一時閉鎖となった。イングランド最東端の州ケントでは約3000台のトラックが足止めされ、クリスマスを家族と過ごせない運転手が続出した。クリスマス当日には、ケントやドーバー海峡の近隣住民から食料が提供されるなど、心温まる交流もあった。

 財務大臣は企業への新たな補助金制度として、4000~9000(約56万3000~126万6000円)ポンドまでの支援を発表した。労働者に対しては、ファーロウ・スキーム(給与補償制度)を4月末まで延長したが、フリーランスや解雇などで補償の対象外となる人が増加していることから、制度に対する不満も出ている。

 国内では貧富の差が拡大しており、教育機会への影響も懸念される。私立学校では毎日カリキュラムに沿ってオンライン授業が実施されている一方、公立では1日2~3科目のみ提供される場合もある。また、1人1台ずつパソコンを持たない家庭もあるため、所得に応じてパソコンの貸し出しや購入費の補助が受けられる。

 アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンは、1月3日から接種が開始され、1月中旬までに1週間に200万人の接種を目指す。ファイザーのワクチンと合わせて、2月中旬までに高齢者や高リスク層へ提供するとしている。

 例年のロンドンでは、年越しのイベントとして、ビッグベン周辺で花火やライトアップが行われる。今年は告知がなく静かな年末年始になるかと思われたが、思いがけずテレビ中継があり、新たな気持ちで新年を迎えることができた。

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