野茂氏の恩師・元ドジャース監督ラソーダ氏死去 世界一2度の名将 五輪監督としても金メダル

トミー・ラソーダ氏

【ロサンゼルス8日(日本時間9日)発=青池奈津子】伝説的なドジャースの名将、トミー・ラソーダ氏が7日夜、心臓発作のため死去した。

ドジャースは8日に「ドジャース組織で70年を過ごし、野球史上で最も記憶に残る人物の一人となった野球殿堂入りのドジャースの監督、トミー・ラソーダが木曜の夜亡くなりました。93歳でした」と発表した。昨年11月初旬にロサンゼルス近郊の病院に入院。集中治療を受け、12月下旬には容態の回復が伝えられていた中での訃報だった。

ラソーダ氏は現役時代、左腕投手として3年間でメジャー通算26試合に登板し0勝4敗と選手としては目立たなかったが、1961年ドジャースのスカウトに転身後、65年から72年までマイナーリーグの監督を務め、73年にドジャースの三塁ベースコーチに。76年9月に監督に就任し、96年に退任するまで地区優勝8回、リーグ優勝4回、ワールドシリーズも2回制した。97年に米野球殿堂入りし、背番号「2」はドジャースの永久欠番。野茂英雄氏の恩師としても知られる。2000年のシドニー五輪では米国代表の監督を務め、金メダルに導いており、多くの野球ファンに愛されてきた。

ツイッター上などではドジャースの面々、ロサンゼルスの地元にとどまらず、他のスポーツ界など、多方面からラソーダ氏の死を悼む声が寄せられている。

ドジャースの守護神ケンリー・ジャンセン投手は「野球とドジャースに対する愛は偉大だった。勝利すること、野球を愛すること、喜びとともに生きて遊ぶことを僕らに伝えてくれた。青の天国でゆっくり休んでください。ありがとうございました」。

ヤシエル・プイグ外野手は「私にとって偉人でいてくれてありがとう。とてもつらいニュースに心が痛いですが、再びチャンピオンとしてのドジャースを見たいというあなたの願いを神様が与えてくれたことを感謝します。あなたはいつもそれを見ずには、この世を去れないと言っていました。どうか安らかに」と故人を偲んだ。

アレックス・ロドリゲス氏も「彼ほど野球を生き、呼吸し、眠った人はいない。彼にはドジャーブルーの血が流れていました。彼は真の紳士であり、チャンピオンであり、野球の殿堂入りです」とツイートし、ドジャース共同オーナーのマジック・ジョンソン氏は「過去8年間、私はすべてのドジャースの試合でトミーの隣に座り、彼は野球の戦略と歴史に関する貴重なレッスンを教えてくれました」などと名伯楽の死を悼んだ。

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督はMLBネットワークのインタビューで、ラソーダ氏が「優勝するまでは生きているからな」と声をかけられていたことに言及。ロバーツ監督は、ラソーダ氏が2020年にドジャースが優勝した瞬間に立ち会えたことを「私が最も誇れる瞬間の一つ」と話した。

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