【K―1】24日レオナ戦へ 武尊の闘志に火をつけた「レジェンド・武藤敬司の存在」

拳の負傷から復活を目指す武尊の見つめる先には....(顔写真は武藤)

立ち技格闘技イベント「K―1」のスーパーフェザー級王者・武尊(29)が大勝負だ。年間最大イベント「K’FESTA.4」(24日、東京・国立代々木競技場第一体育館)で、強敵レオナ・ペタス(28)を相手にV2戦に打って出る。“神童”那須川天心(22)との宿命の一戦実現へ向けて勝利が義務づけられる中、レジェンドレスラー・武藤敬司(58)の衰えぬ闘志が火をつけている。

当初、この王座戦は昨年11月の福岡大会で予定されていたが、武尊が10月に左拳を負傷したため今回にスライド。王者にとってはタイトル戦かつケガからの復帰戦という過酷な試合になる。

しかし絶対に“取りこぼし”は許されない。その「先」を多くの格闘技ファンから期待されているからだ。昨年大みそかに格闘技イベント「RIZIN」さいたま大会を訪れ、対戦が熱望されてきた那須川の試合をリングサイドで観戦。「僕の意思表示です。来年実現させる決意を込めて来場しました」などと話し、2021年内に団体の壁を越えた夢のカード実現を誓った。

その那須川も2月28日に立ち技打撃格闘技「RISE」横浜アリーナ大会で志朗(27)戦を控える。ドリームマッチを実現させるにはまず、ともに目の前の一戦を勝たなければならないのだ。

とはいえ相手のレオナは現在9連勝中。その間には5KOをマークする今一番勢いに乗る危険な選手だ。そんな中で、武尊の背中を押したのがかねて親交のある武藤の活躍だという。昨年からノアに出場して白星を重ね、ついにノアの頂点ともいえるGHCヘビー級王者・潮﨑豪(38)への挑戦(2月12日、日本武道館)にたどり着いた。

58歳にして頂点を目指し続けるその衰えぬ闘志に「それでトップでやり続けているっていうのはすごいことだし。気持ちが強いからこそ、ここまでたどり着いたと思うし。ノアのGHC…取ってほしいですね。すごいっすよね。特に、モチベーションがずっとあるっていうのがすごいです」と語気を強めた。

武藤と言えば、現在は人工関節に置換した両ヒザのケガと向き合いながら戦い続けてきた。武尊は同門のKREST所属でヒザの負傷などに泣かされた苦労人・山崎秀晃(33)が昨年9月にスーパーライト級王座に輝いたことも引き合いに「秀さんも何度もケガしてるのが、武藤さんと重なる部分もあって…。僕はすごい勇気をもらった」と力になっているという。

最後に、自らが武藤よりも前にタイトル戦に臨むとあって「いい形でつなぎたいです。次はチャンピオン同士として会いたい。僕はベルトを防衛して、武藤さんは取って一緒に写真を撮りたいです」。究極の大一番実現へ、武藤ばりの“K―1ラブ”でタイトルを防衛するつもりだ。

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