ロックの聖地“復活”へ 長崎「Studio DO!」

営業再開へ向けて準備が進む店内のホール=長崎市江戸町、「Studio DO!」

 長崎のロックファンから「聖地」と呼ばれ、惜しまれつつも2019年3月に閉店した老舗ライブハウス「Studio DO!(スタジオ ドゥ)」が、長崎市江戸町の明和ビル地下1階に移転、12日から営業を再開する。楠田昌尚店長(42)は「新型コロナ禍の中での営業に批判的な声もあると思うが、感染対策に万全を期して安全にコンサートを楽しめる場にしたい」と話す。
 移転前は、同市夫婦川町で1985年から約33年間営業。楠田店長で3代目。プロミュージシャンを目指す多くの若者らが集まり、その中には「横道坊主(おうどうぼうず)」や「SHANK(シャンク)」などメジャーデビューを果たしたバンドもいる。「フラワーカンパニーズ」や「竹原ピストル」など有名アーティストもツアーなどで訪れ、ロックファンらでにぎわう「聖地」だったが、ホールが入るビルの老朽化などで営業継続が難しくなり閉店した。
 その後、楠田店長は移転先を探し、地下で防音環境が整っていることなどから現地での営業再開を決めた。新店舗は延べ床面積204平方メートル。約100人が収容できるホールを備え、楽屋や飲み物を提供するコーナーを併設している。
 営業再開後は感染対策として、ホールの収容を30人程度に制限、空調による換気を小まめに行う。来場者にはマスク着用や手の消毒などを促し、連絡先などを記録するという。
 移転前の店舗でライブイベントのプロデュースなどをしていた、同市の清田貴雄さん(35)は「店はアマチュアミュージシャンたちの交流の場でもあった。復活してくれてうれしい」。楠田店長は「ここからビッグなアーティストが生まれることを願っている」と夢を語る。

「ジャンルを問わずコンサートにホールを活用してほしい」と話す楠田店長

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