もう聞けない「ビッグフライ、オオタニサン!!」 名物中継アナが辞職発表

大谷翔平

【ロサンゼルス9日(日本時間10日)=青池奈津子】エンゼルスの大谷翔平投手(26)が本塁打を放った時の「ビッグフライ、オオタニサン!!」の名フレーズで日本でも知られる米Foxスポーツウエストのアナウンサー、ビクター・ロハス氏(52)が辞職したことを自身のツイッターで発表した。エンゼルス公式サイトなどが速報した。

同局で11年間エンゼルス戦の実況を担当してきたロハス氏は「20年前の1月に大リーグのアナウンサーになる夢を抱いて妻キムとニュージャージー州へ向かったところから始まり、とても楽しい日々を過ごさせてもらいました。2021年も戻るつもりでいましたが、中継ブースから離れ、テキサスにいる家族と過ごす時が来たのだと。新しく始めたアパレルビジネスを成長させ、初孫の誕生を待ちながら新しい道へと進む時だと感じました」と長文を投稿。球団やファンらへ感謝と別れを告げた。

ロハス氏は二塁手として5度オールスター戦に選出され、1988年にエンゼルスの監督を務めたクッキー・ロハス氏の息子で、エンゼルスマイナーで投手としてプレー、マーリンズでコーチを経験している。03年にダイヤモンドバックステレビとラジオでキャスターとしてのキャリアをスタート。レンジャーズ、MLBネットワークを経て、10年からエンゼルスの実況担当アナウンサーに就任。サミー・ソーサの600本塁打、大谷が日本人初のサイクル安打を達成した試合でも実況を担当していた。

このオフにはエンゼルスの新GMに立候補したり、19年に家族で野球関連のアパレルブランド「ビッグ・フライ・ギア」を立ち上げており、20年はコロナ禍でも1500件近い注文があったという。

ロハス氏の決まり文句としてはエンゼルス勝利後の「ライト・ザット・ベイビー・アップ!」やサヨナラ勝ち後の「ドライブ・ホーム・セイフリー!」なども有名。

大谷が二刀流の完全復活を期す今季、豪快なアーチとともに「ビッグフライ・オオタニサン!!」を耳にすることができないのは寂しい…。

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