楽天ドラ1早川、新人合同自主トレで語った思考 「目的は1年」「目標は1か月」

新人合同自主トレでキャッチボールを行う早川隆久【写真:宮脇広久】

自ら設定した目標「100プラス自分の背番号」にわずか及ばず「甘さが出た」

楽天の新人合同自主トレが10日、本拠地・楽天生命パークの室内練習場で始まった。12球団のルーキーで最大級の注目を浴びる最速155キロ左腕、ドラフト1位の早川隆久投手は、何を考えながらプロ生活のスタートを切ったのだろうか。

新人合同自主トレ初日を終えたドラ1左腕は「常に目的と目標を明確にしながら、1日1日成長していきたいと思います」と語った。

「自分としては、目的とは1年を通してのもの。目標とは1か月ごとに変わるものだと思っていて、3か月ごとの目標も設定しています」と説明。その上で「今月の目標は基礎体力づくりと(プロの)環境に順応すること。これを達成して、2月のキャンプを迎えたい」と理路整然と語った。

この日は、楽天の新人合同自主トレ恒例の「20メートルシャトルラン」が行われた。一定のリズムに合わせて20メートルの距離を往復。練習場内に響く電子音が「ドレミファソラシド」の8音を奏で終わるまでに20メートルを走り切り、ターンしなければならないが、音は徐々に速くなっていく。テンポについていけなくなり、20メートルを走り切れなくなった所で終了。それまでにクリアできた回数が記録となる。

金具&ポイント混合型のスパイクを試用中

早川の記録は119回で、新人7人中4位だった。悔しそうな表情を浮かべたが、それは3人の後塵を拝したからではない。「100プラス自分の背番号(21)という目標を設定して臨みましたが、あと2回足りなかったところに、自分の甘さが出ました」。自分で目標を設定した以上、“誤差”程度の違いも無視することはできなかったのだ。

そんな早川にとって、自主トレ期間中の重要テーマの1つが、スパイクの選定だ。早川は大学時代、革底で7本歯のスパイクを使用していた。野球のスパイクは大きく分けると、金具の歯が付いたタイプと、歯を樹脂製のポイントに置き換えたタイプの2種類があるが、現在は「歯とポイントの両方が混ざった物」を試していると言う。

「革底は体への負担、疲労感が大きかった」とこれまで経験を分析。試用中の“混合型”の特徴は「接地面が大きく、地面の反発力を受けやすいこと」。一方で「接地面が大きい分、安定感があり過ぎて、出力が下がる気もする」とデメリットも感じており、「どちらが自分に合うのか、今は何を求めていくのが大事なのかを考えながら、試行錯誤していきたい」と話す。

早川は自分の調整スケジュールから新しい用具に至るまで、新人とは思えない厳格なチェックを入れながら、着実に開幕へ向けて準備を整えていく。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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