大会中止もチーム編成 都道府県対抗駅伝中高生長崎県代表 陸協強化部 来年を見据え「途切れさせない」

 新春恒例の全国都道府県対抗男女駅伝大会(男子=広島、女子=京都)が、今年はコロナ禍のために中止となった。中学から一般までのランナーが古里のたすきをつなぐ両大会は、各地で長距離強化の柱となっており、長崎県は男女とも上位入賞を重ねている。長崎陸協強化部は「これまでの流れを途切れさせないように」と例年同様に代表候補チームを編成した。
 男女とも選考会の結果や実績を参考に、高校生10、中学生5人を選抜。高校生は来年を見据えて1、2年生に絞った。
 長崎陸協は1月4~7日、雲仙市を拠点に参加可能な選手を集めて強化合宿を実施。ロード練習やトラックでのポイント練習に加え、密を避けたコンパクトなミーティングなどをして、県代表や「チーム長崎」としての意識を高めた。

互いに刺激を受けて高め合う男子メンバー=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 男子の高校生は、年末の全国高校駅伝に出場した鎮西学院の2年生エース山下、昨秋に5000メートルで14分9秒45の自己新を出した吉浦ら松浦勢を中心に、5000メートルの持ちタイムが14分台前半の選手も複数参加。創成館、瓊浦を含めて、県をリードする4校の主力が切磋琢磨するいい機会となった。
 中学生も3000メートルで全国トップレベルの8分31秒39を持つ川原をはじめ、昨年12月の九州中学駅伝の主要区間で好走したメンバーらが名を連ねた。原川監督が「原石は多くいて、このところ中学から高校へうまく引き継げている」と評するように、各世代を通して層が厚くなってきた。

来年につなげるための練習に励む女子メンバー=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 女子の高校生は、年末の全国高校駅伝で諫早の1、2区を務めた水谷、川口、4区で力走した樋口らが主軸となった。アンカーを走った川尻を含めた2年生4人は、3000メートルの自己ベストが9分30秒台。力をつけてきた長崎女の主力らとともに、県全体で意識、走りともにワンランク上を目指すことを確認した。
 中学生は昨年に続いて県代表入りした岩本と野村がけん引。いずれも向上心が高く、これからが楽しみな3年生だ。藤永監督は「合宿経験が少ない中学生はもちろん、みんなにとって意識を変えるきっかけになれば」と今後の躍進に期待を込めた。
 合宿を終えて、男子のリーダーの吉浦は「レベルの高いメンバーからいい刺激をもらった。来年の入賞を目指して、中高生でもっと力をつけたい」、女子リーダーの水谷も「この1年で走れることへの感謝や普段からの機敏な行動を当たり前にして、強いチームにしていく」と先を見据えていた。


© 株式会社長崎新聞社