【石川優実が芸能界のセクハラ、パワハラ告白】「売名」の批判には驚いたけど応援の声も続々

石川優実

【現役女優が芸能界の性接待を実名告白!石川優実「#MeToo」:連載7】芸能界のセクハラ、パワハラを顔出しで告白した女優・石川優実(31)の連載「#MeToo(ハッシュタグミートゥ)」の7回目は「売名」批判と「応援」の声について語る。

声を上げることによって、自分の女優活動が阻害される怖さはあったというか、その時は全く仕事がなかったんです。何か仕事が決まっていれば、何も言えてなかったかもしれません。なので「売れてないから、ひがみで告発したんでしょ」という批判もあったんです。

でも、自分の中では、いびつな芸能界の中で売れてなくて良かったなという思いもあって。「売名」という批判もあったんですが、それが一番びっくりしました。

一部では「ブスだから」「実力がないから」「自分がしっかりしてないから」という声もありました。でもこれらは、私がずっと感じていたことでダメージは受けなかったんですが「売名」は驚きました。そんなふうに思うんだって。

私がお話ししてきたことって、自分では「すごくみっともない」と思ってますし、進んで人には話したくない。「売名」とは違う感情だったので、そういう批判はびっくりしました。

でも声を上げたことで反響もありました。

私のこれまでの活動って、男性に向けられたグラビアとかばかりだったので、女性のファンの方ってほとんどいなかったんです。

そんな中で最近は女性からのメッセージとかが届くようになりました。芸能界の方でなくても「私もずっと同じような気持ちでいたので発言に救われました。自分も怒ってよかったんだ」って。女性に関しては共感してくれる方がほとんどですね。昔からの男性ファンも「そんなつらい思いをしていたことに気付けなくてごめんなさい。さらに応援しようと思いました」という声も届きました。本当にうれしかったです。

内容が内容なので、告発記事も最初は有料公開にして、見る方を限定していたんです。みっともないと思われても仕方ないと思っていたところに励ましの声が届いたので、すごくうれしかった。私も怒ってよかったんだと、勇気をもらいました。記事を拡散してくれたグラビア関係の方もいらっしゃった。「そんな大人のところで苦しまなくてもいいです。私は石川さんのりんとしたグラビアが好きでした」とメッセージもいただいて。「良い人だなあ」って。今は男性向けの露出はやってないですが、自分が表現したい分野でのヌードはやります。

セクハラ、パワハラが当たり前だとなってる風潮が一番良くない。女性だけじゃなく男性も同じような目に遭ってるという話を聞く。権力がある人間が目下の人間をどういうふうに扱ってもいいなんてことはダメ。それが芸能界は当たり前だという風潮がある。そこから抜け出さないといけないと思います。

実力があっても、そういう目に遭って辞める子もたくさんいるので、その権力者にとっても、そういう状態って良くないと思います。本当にそういうことが幸せなのかなって。被害者も加害者も、幸せじゃない。芸能界も考え直す必要があると思います。(つづく)

☆いしかわ・ゆみ=1987年1月1日生まれ。岐阜県出身。2004年、高校3年生のときにスカウトされて芸能界入り。グラビアアイドルとしてDVDを30本以上発売するなど人気を博す。その後、女優として活動。14年には映画「女の穴」で映画初主演。17年にブロガーのはあちゅう氏に触発され、自身が経験した芸能界セクハラ事情を実名で告発。日本での#MeToo運動を展開している。

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