【石川優実が芸能界のセクハラ、パワハラ告白】自分の尊厳を傷つけるものから逃げる勇気を

全てを明かした石川優実

【現役女優が芸能界の性接待を実名告白!石川優実「#MeToo」:連載8】芸能界のセクハラ、パワハラを顔出しで告白した女優・石川優実(31)の連載「#MeToo(ハッシュタグミートゥ)」の8回目はセクハラ、パワハラ被害者についての向き合い方や、男女の「セックス」に対する向き合い方について思いを述べる。

当たり前なんですけど、加害者が悪いというのが前提ですが、私は「もう少し自分が“わがまま”だったら起きなかった」というか「自分が嫌なことをはっきり嫌と言えれば」良かったと。だから、私が話すことで、今後、いろんな人にもこういう気持ちで向き合ってほしいと思っています。

もちろん、仕事で嫌なことや我慢しなきゃいけないことはありますが、自分の尊厳を保てないことはやめて、逃げる勇気を持ってほしい。

セクハラ、パワハラに遭う人って真面目で頑張っている人が多い。「自分がダメだから頑張らなきゃ」って。でも、実は頑張り方が間違っている。私もそうでした。それよりも自分の好きなことをしっかりと見極めて、そっちに頑張ってほしいと思います。だから今はとにかく「自分を甘やかして」います。

どれだけ「自分がやりたいことを自分にやらせてあげるか」「自分がやりたくないことを自分にやらせないか」。そのほうが人生うまくいってますし、そういう目にも遭わなくなっているし、そういう人も寄ってこなくなった。

セックスについても、女性は楽しめないのかなって感じていて、女性がセックスの話をすると、セクハラとか嫌がらせとか付きまとってくる。

例えば、SNSのダイレクトメールで「やらせろ」みたいなことが来るんです。でもそれってただの嫌がらせだと思う。しかも「そっちがセクシーな格好してるじゃん」とか批判する。嫌だと言ったら「お前が悪い」とか言ってくる。

女性だけのトークショーとかにも呼んでいただきますが、その場ではいろんな意見があります。

例えば女性が「セックスが好きだ」と言うと、男性から「オレにもやらせろ」とかすぐに言われるみたい。でもそうじゃない。それがなかなか通じない。「セックスがしたい」というのは「誰とでもしたい」という意味ではない。「私がセックスをしたい人とセックスしたい」という意味で「したくない人でもする」という意味ではない。

人それぞれ違いますが、大多数の女性は、知らない男性や性的興味を持ってない男性から言われることには、不快感を持ちます。それがまだ、男女の共通認識になってないんですね。でも、グラビアの女性を性的な目で見るなということではないんです。「エッチしたいな」とかは全然思っていい。ただ「嫌がらせをするな」ってだけなんです。相手のことを思いやってください。

こういうことを告発した時に、セカンドレイプとかセカンドハラスメントがある。例えば「しっかりしてないお前が悪い」「もっと頑張らないからだ」とか言われてきたんですが、今後、人からそういう相談された時は絶対にそういう言葉をかけないでください。

悩んでいる人は「自分がダメだから、もっと頑張らなきゃいけないから」という気持ちでいるので、ハラスメントをはねのける力もなくなってるケースが多い。その人にそういう言葉をかけると、負のループに陥ってしまう。かけてほしい言葉は「頑張らなくていい」とか「嫌ならやめていいんだよ」。

逆に悩んでいる人にも言いたいです。意を決して相談して、仮にそういう言葉を言われても、落ち込まない。気にしないでねって。(つづく)

☆いしかわ・ゆみ=1987年1月1日生まれ。岐阜県出身。2004年、高校3年生のときにスカウトされて芸能界入り。グラビアアイドルとしてDVDを30本以上発売するなど人気を博す。その後、女優として活動。14年には映画「女の穴」で映画初主演。17年にブロガーのはあちゅう氏に触発され、自身が経験した芸能界セクハラ事情を実名で告発。日本での#MeToo運動を展開している。

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