世界初の新幹線レール交換システム REXS その画期的な仕組みと作業効率性

黄色いザリガニがロングレール運搬車に載るような、奇妙で長大な作業車―――REXS。

REXS は、Rail EXchange System の略で、新幹線レール交換システム。東鉄工業が開発した新鋭機。

東鉄工業が開発した最新の新幹線レール交換保守用車両群で、レール交換に必要な、運搬・積み卸し・溶接・交換をこのREXSで完了させる世界初のシステム。

また、150メートルの新幹線用レールを運搬できる車両としても国内初のシステム。

REXS のミッションは、東北新幹線の累積列車重量から割り出されるレール交換周期に達するまでに、大宮~郡山 約190kmのレール交換を、2026年度までの10年間で効率的に完了させること。

編成は、最前部からPCU(モーターカー)、CLW(レール固定車)、TW(レール運搬車)7両、EW(後部運搬車)、CHW(レール積み卸し車)、FWC(フラッシュバット溶接車)と続く、12両編成。全長は230メートル。

レール積み卸しの手順はこう。まず、黄色いザリガニのような左右の手(レール積み卸し車/レールマニピュレーター)が、新レールをつかみ、積み卸し位置にレール先端をセット。

積み卸し車は、150メートルレールの後端部へと移動し、レール後端部をつかんで位置を固定。列車全体が前進することで、150メートルの新レールが軌道面に配置されるという仕組み。

150メートルレールを20本積める REXS は、従来の保線車両と比べ、4倍のレール運搬能力を発揮する。

新レールが軌道面に着地、次はレールを溶接。REXS 最後部にあるFWC(フラッシュバット溶接車)の番。大電流のフラッシュバット溶接で、従来40分かかっていた溶接が、約6分で完了する。

新レールがつながったら、こんどは旧レールと新レールの交換。旧レールを外側にはずしていくのと同時に、新レールを設置していく。セミオートですすめることから、これまでの作業人員を大幅に削減できるという。

最後はレール積み卸しの逆作業、再びレールマニピュレーターが登場し、旧レールを積み込んでいく……。

―――東北新幹線で動き出した、世界初の新幹線レール交換システム。その作業映像をみると、「レールって、こんなにやわらかく曲がるんだ」とも思ってしまう。

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