【新型コロナ】緊急宣言下、神奈川各地で成人式 横浜では密集「怖い」の声も

感染防止対策で間隔を空け、席は中央のスクリーンを囲むように配置された横浜市の成人式会場=横浜市港北区の横浜アリーナ(花輪 久写す)

 「成人の日」の11日、神奈川県内各地で成人式が開かれた。新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が再発令され、感染症が猛威を振るう中、会場開催に踏み切った自治体は感染防止策を講じ、細心の注意を払って門出を祝った。晴れ着にマスク姿で参加した新成人からは開催への感謝の言葉が聞かれる一方、大勢が密集する状況に不安の声も。オンライン開催とした自治体の新成人には、友人との再会がかなわず落胆する様子も見え、さまざまな思いが交錯する1日となった。

 県によると、今年の新成人は9万535人。前年より976人減った。コロナ禍で今年は式典を会場で開催したのは横浜など17市町村にとどまり、平塚など8市が会場開催をやめ、オンライン配信とした。横須賀など4市町は延期。座間、綾瀬、二宮、愛川の4市町は中止し、対応が分かれた。

 全国の市町村で最多の3万6853人が新成人となる横浜市は今年、横浜アリーナ(港北区)とパシフィコ横浜ノース(西区)に会場を分け、両会場とも4回に分けて開催。時間を15分程度に短縮したほか、参加者には検温やマスク着用を求め、国歌や市歌は聴くだけとするなど感染拡大防止に努めた。

 2会場の出席者は計約1万5300人。参加率は4割で、例年の7割より低かった。それでも式典前後は会場周辺に新成人が密集する場面もあり、同市神奈川区の男性(20)は「感染が怖い」と打ち明けた。

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