メジャー移籍を目指していた菅野智之投手(31)が巨人残留。リーグV3、日本一を目指す球団内からは歓迎の声一色も、次期投手リーダー育成は急務となっている。
期限ギリギリまで現地で交渉し9日に帰国した菅野は「年末もずっと向こうの球団と交渉したりとか、ほとんど体を動かせていないので例年よりかはスローペースになるのかな」とポツリ。帰国者は2週間の隔離が必要で春季キャンプは2月6日に沖縄始動のS班入りが濃厚となっている。
さらに右腕は今季終了後のメジャー再挑戦に含みを持たせており、投手を引っ張る新リーダーが必要。その最右翼がプロ6年目のセットアッパー左腕・中川皓太投手(26)だ。昨季は主に8回を任され37試合、防御率1・00、15ホールド、6セーブとリーグ2連覇に貢献した。
菅野の東海大の後輩でもある中川は1年前のハワイ自主トレに同行。渡航費、滞在費、練習メニューとすべて頼ってきたが当時、菅野からメニューを自分で作ることを求められた。今後、後輩を連れていく立場になった時のためで中川も「自分でメニューを作ることですごく勉強になりました」と振り返る。
菅野による「リーダー学」伝授は着実に行われてきたが、球団もあらゆる手を打ってきた。昨年の春季キャンプでは投手キャプテンに任命され「先輩ばかりなのに」(中川)と戸惑いながらもまっとうした。さらに昨年12月の「シーズン感謝祭」(両国国技館)では新ユニホームのお披露目で原監督、キャプテン坂本、岡本と並んで投手陣でただ1人登壇。〝球団の顔〟としての自覚をうながした。
「今までお世話になった分、菅野さんに恩返しをしたい」と話す中川がこの1年で投手リーダーに成長できるか注目だ。