西武ぽっちゃりドラ1・渡部健人 チーム内から「一軍定着3年後くらいでいい」の声出るワケ

笑顔でダッシュする西武・渡部(代表撮影)

〝第3のおかわり〟は、じっくり長期目線で主軸に育てる。

本拠地施設で10日から始まった西武の新人合同自主トレ。注目は中村、山川に続く第3のヘビー級本塁打王候補のドラフト1位・渡部健人内野手(22=桐蔭横浜大、体重118キロ)だが、球団はその育成を焦ってはいない。

辻監督は「もちろん一軍の戦力として期待しているけど、まだまだ大きな壁がたくさんある。チーム内競争を勝ち抜いて、将来的にチームを引っ張っていくような選手になってもらいたい」とコメント。即戦力の期待をかけながらも3年後、5年後の主軸としての育成に重きを置いている。

チーム関係者も「高卒の中村は6年目、(渡部と)同じ大卒の山川だって一軍に定着するのに4年かかっているわけだから、いきなり結果は求めない。サンペイ(中村)が40歳になる3年後くらいに、その後釜として山川とクリーンアップを組んでくれることがチームとしての理想」と渡部の一軍定着3年計画に触れた。

振り返れば「おかわり2世」と期待されてきた山川(当時の体重108キロ)も1年目のキャンプでは1日4キロの走力メニューに左ヒザが悲鳴を上げ、第1クール2日目に別メニュー調整。3日目には一軍・A班キャンプ(宮崎・南郷)離脱が決まり二軍・B班キャンプ(高知・春野)へ入れ替えを余儀なくされた。

そこから多くの壁にぶち当たり紆余曲折の末、4年目の2017年シーズンに一塁・主軸のポジションを奪った経緯を見ても、渡部の前途にはまだまだ高いプロの壁が待っている。

新人合同自主トレはまだ序盤。「走り(走力メニュー)が一番きつい。まずは自分のペースでやって周りに合わせていきたい」と語る渡部の1年目はまず基礎体力をつけ、プロの水に慣れること。その中で一軍に昇格するチャンスが来れば出てきた課題にどう向き合い、克服していくのか。今後が楽しみだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社