ルノーF1チーム代表アビテブールが離脱。アルピーヌへのリブランドに伴いグループが体制変更

 ルノーF1のマネージングディレクター、シリル・アビテブールがグループ・ルノーを離れることが発表された。ローラン・ロッシがアルピーヌのCEOに就任する。

 2016年にルノーがF1ワークスチームとしての活動を再開するためのプロジェクトを担い、長きにわたりチームを率いてきたアビテブールは、ルノーF1が2021年からアルピーヌF1に名称を変更する後も、モータースポーツ部門で重要な役割を果たしていくものと予想されていた。

 しかしグループ・ルノーは、1月11日、戦略および事業開発担当ディレクターを務めたロッシを同日付けでアルピーヌブランドの最高経営責任者CEOに指名したこと、アビテブールがグループ・ルノーから離脱することを発表した。ロッシは今後、グループ・ルノーのCEOルカ・デ・メオの直属として、アルピーヌの市販車、スポーツ、F1部門の責任者となる。

アルピーヌF1マシンのイメージ

 2020年9月6日、ルノーは2021年からアルピーヌF1チームに名称を変更してF1活動を継続することを発表した。これに伴い、上層部の体制変更が行われており、ルノー・スポール・レーシング会長ジェローム・ストールが12月31日付けで退任、年明けにはルノーF1チームでエグゼクティブディレクターを務めたマルチン・ブコウスキーがルノー・スポール・レーシング/アルピーヌ・レーシングのディレクターに就任したことが、イギリスの企業登記局カンパニーズ・ハウスの書類により明らかになっている。

 先週、ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦しているチーム・スズキ・エクスターのチームマネージャーを務めたダビデ・ブリビオがアルピーヌF1チームに加入する見込みであるとの報道がなされたが、今回の発表ではブリビオについては触れられなかった。

 グループ・ルノーのデ・メオ会長は「シリルのたゆまぬ努力に心から感謝する」とコメントした。

「それこそが2016年には選手権9位だったルノーF1チームを、昨シーズンには表彰台を獲得できるところまでへと引き上げた。彼が2007年以来、F1で素晴らしい仕事をしてきたおかげで、我々は強力なチームを得ることができ、新アルピーヌF1チームとして今年表彰台を狙うという、未来に目を向けることができる」

2020年F1アイフェルGP ダニエル・リカルドの3位表彰台を祝うルノー首脳陣(中央がシリル・アビテブール)

 アビテブールもチームへの感謝を述べている。
「長年私を信頼してくれたグループ・ルノーに感謝する。2016年以降のチームの再スタートと再建を私に任せてくれた」

「レーシングチームと、フランスおよび英国の組織は、近年、強固な基盤を築き上げてきた。このスポーツの戦略的進化が経済的に持続可能なモデルへと向かい、新たな意義とダイナミズムを持つアルピーヌプロジェクトがスタートするなど、すべてが軌道に乗りつつある」

「ルカ・デ・メオCEOが私をアルピーヌ・ビジネス・ユニットの設営に関与させてくれたことに感謝する。新たな組織の成功を祈る」

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