バウアーは史上最高年俸を得られるのか 米記者が分析

トレバー・バウアーはサイ・ヤング賞を受賞した直後という絶好のタイミングでフリーエージェントとなり、一部では史上最高年俸となる契約を求めていることが報じられている。つまり、ゲリット・コール(ヤンキース)の年平均3600万ドルと並ぶ、もしくはそれを上回る契約ということだ。一見、非現実的な要求であるようにも思えるが、メジャーリーグ公式サイトのマーク・フェインサンドは「正当な評価と言えるかもしれない」と分析している。

コールは2019年12月にヤンキースと投手史上最高額の9年3億2400万ドルで契約。1年あたりの金額は3600万ドルとなり、これは野手を含めても史上最高額である。また、コールとほぼ同じタイミングでスティーブン・ストラスバーグはナショナルズと7年2億4500万ドルで再契約。こちらも1年あたり3500万ドルという大型契約となっている。

バウアーについては「サイ・ヤング賞を受賞したシーズンが60試合制だったこと」や「シーズン毎に成績の波が激しいこと」などを理由に大型契約に相応しくないとする声も聞こえるが、故障や不振によって成績の波があったのはコールやストラスバーグも同じ。フェインサンドはフリーエージェントとなった時点の故障者リスト登録日数がストラスバーグ426日、コール143日だったのに対してバウアーはわずか40日であることに言及し、耐久性をバウアーの大きな強みとして挙げている。

バウアーは2018年にリーグ2位の防御率2.21をマークしたものの、翌年は防御率4.48と不調。しかし、フェインサンドは「2019年4月に打球が足首を直撃して負傷したあと、十分に回復するまで休んでいたら防御率はこんなに悪くなかったはずだ。この年、最初の6先発は防御率1.99だったのに、負傷後は防御率5.07に悪化した」と述べ、シーズン防御率4点台という不調には無理をしてマウンドに上がっていたことが影響していたと考えている(結局8月に疲労骨折でキャリア唯一の故障者リスト入り)。

また、フェインサンドは「フリーエージェント前のシーズンのベスト11試合の成績」と「フリーエージェント前の最終90試合の成績」を持ち出してバウアー、コール、ストラスバーグを比較。バウアーが他の2投手に決して劣っていないことを紹介している。そして「年平均3600万ドルの5~6年契約は正当な評価と言えるかもしれない」と結論づけた。

◆フリーエージェント前のシーズンのベスト11試合の成績

バウアー(2020年=シーズン通算成績)
防御率1.73 73.0イニング 100奪三振 被打率.159

コール(2019年7月22日~9月24日)
防御率1.51 77.2イニング 122奪三振 被打率.141

ストラスバーグ(2019年7月3日~8月31日)
防御率2.83 70.0イニング 91奪三振 被打率.204

◆フリーエージェント前の最終90試合の成績

バウアー
防御率3.15 556.1イニング 677奪三振

コール
防御率3.21 565.2イニング 751奪三振

ストラスバーグ
防御率3.40 547.1イニング 656奪三振

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