【えほんのとびら】 No.213「やさいのおにたいじ」

福音館書店
作:つるた ようこ

 京の都の日野菜ひめがこんにゃくいもの鬼にさらわれた! 父親の聖護院かぶらは、ひめを助けに行ってほしいと京野菜たちに頼みました。

 そこで堀川ごぼう、金時にんじんなど、知恵と勇気のある六人が鬼退治に行くことに。

 途中、橋のない深い谷の手前で、向こう岸に渡れず困っている鹿ヶ谷かぼちゃのおじいさんに出会いました。

「さあ どうぞ この せなかを わたっとくれやす」機転をきかせた堀川ごぼうが橋のかわりになったので、一同は無事向こう岸に到着。おじいさんはお礼に、悪者が飲むと力のなくなる不思議な酒をくれました。

 屋敷に着いた六人は門番たちをうまくかわし、いよいよ鬼と対面。酒好きのこんにゃくいもはすすめられるままに杯を重ね、みるみる力をなくして、とうとうこんにゃくになってしまいました。

 こうして六人はひめを連れて都へ帰り、めでたし、めでたし。

 御伽草子「酒吞童子」をモチーフにし、味のある京野菜たちが大活躍する楽しいおはなしです。

(ぶどうの木代表 中村 佳恵)

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