【新型コロナ】川崎市がワクチン接種訓練 27日、設営~経過観察を試行

川崎市役所

 2月下旬までに見込まれる新型コロナウイルスワクチンの接種開始に向け、川崎市は12日、安全で速やかに接種できる態勢整備を図る訓練を実施すると明らかにした。厚生労働省との共催で米製薬大手ファイザー社が協力、集団接種を想定して課題を洗い出す。訓練の様子は全国の自治体に映像で共有するという。同日の感染症対策本部会議で報告した。

 訓練は1月27日、同市幸区の市立看護短期大学で開催。市職員や医師、看護師らスタッフと、市民役がそれぞれ約20人参加し、会場設営や受け付け、接種、接種後の経過観察といった流れを確認する。ワクチンを保管する超低温冷凍庫(ディープフリーザー)の設置も調整している。

 訓練の様子を撮影した映像は全国に配布。対策本部会議で坂元昇医務監は「(保管温度が)マイナス70度と非常にハンドリングが難しいワクチンで、どの自治体も扱いが分からない。各自治体の接種が円滑にいくよう市として協力する」と説明した。

 市は、2017年にも中学生を対象にした新型インフルエンザワクチンの集団接種シミュレーションを国と共催した。また、坂元医務監が国の予防接種基本方針部会委員、岡部信彦市健康安全研究所所長が内閣官房参与を務める経緯もあり、今回の訓練が決まった。岡部所長は「接種ではいろいろな困難や混乱があるが、少しでも解消に結びつけたい」としている。

 新型コロナのワクチン接種は全額国庫負担で、各市町村が実施する。菅義偉首相は2月下旬までにワクチン接種を開始できるよう準備を進めるとしている。

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