新型コロナウイルス感染症拡大の影響などで生活困窮へと追い込まれる人を対象とした横浜市の臨時窓口に、年末の3日間で計62件の相談が寄せられていたことが12日、分かった。休庁日に窓口を設けるのは異例で、市の担当者は「雇い止めなどによる家賃滞納など、若者や女性を含めて幅広い層から相談があった。現在も区役所などで支援を続けている」と話している。
市によると、昨年12月29~31日にかけて市寿福祉プラザ1階(中区寿町4丁目)に臨時窓口を開設し、市職員が相談業務に対応。休庁日の窓口開設は昨年5月の大型連休以来2回目で、生活困窮者の自立支援や生活保護制度に関する案内、住居確保給付金の相談・申請などを受け付けた。
相談件数は29日37件、30日18件、31日7件。「寝泊まりする場所がない」「ネットカフェが年末で割高になり、泊まれなくなった」などの相談が寄せられ、市はあらかじめ確保していた約60人分の食事や簡易宿泊所の部屋などを基に、対応に当たった。
また、年明けの1月1~3日は、寿地区の支援団体で構成する「寿越冬闘争」実行委員会が対応。同委員会は寿公園を拠点に年末年始を通して医療や法律、労働などの総合相談や炊き出しなどを行っており、コロナ対策を講じながら相談者の悩みに耳を傾け、問題に対処していった。
生活相談などを受け持つ同委員会の高沢幸男事務局長は、「仕事を失った非正規雇用の人たちからの相談が年始から特に増えている」と指摘。企業倒産の急増が危惧される年度末に向け、「行政による支援体制のさらなる強化が必要だ」と訴えている。