新潟県がイノシシによる人身被害防止の注意喚起

野生のイノシシ

新潟県は、イノシシによる人身被害防止の注意喚起を呼びかけている。県内では12月の降雪以降、イノシシによる人身被害が相次いで発生しており、今年度で5件7名の被害が発生している。イノシシによる人身被害は、平成29年度以来3年ぶりのことになるという。こうした事態を受け、県ホームページに人身被害対策を掲載し、県民に注意を呼びかけるとともに県内・市町村へイノシシに対する注意喚起について周知した。

またイノシシによる農作物被害の防止・イノシシの生息密度を下げることを目的とした狩猟期間は11月15日から2月15日の間とされているが、県では3月15日まで延長するとともに、猟友会に対し捕獲の強化の依頼を行った。

鳥獣被害対策支援センター所長の神部氏は「注意喚起の内容を県のHPで常時閲覧できるような措置を行い、市町村と連携をして地域住民の皆様に注意事項を伝えるように努めていく」と話した。

◎イノシシの生態

イノシシはとても臆病であり、人間に出会った場合、一刻も早く安全なところまで逃げようとする。人間の側が気づくのが遅れたり、パニックに陥った結果、逃げ道を塞ぐ形になってイノシシの攻撃を受ける場合が多いという。また、イノシシは冬眠しない動物であり、降雪時は雪の少ない場所を求めて川沿いや山沿いの除雪された場所に出没する可能性がある。除雪でできた雪の壁を越えて山側に戻れない状況も想定されるため、市街地に出没し続ける可能性があるという。

◎対策

イノシシに近づかない
遭遇した場合は、絶対に刺激せず、物陰に隠れる、高いところへ登るなどしてやり過ごし、落ち着いてその場を離れる。

イノシシを刺激しない
イノシシは刺激されると興奮して襲ってくることもあるため、大声を出したり、物を投げたり、犬をけしかけたりしない。

エサとなるものを放置しない
イノシシは嗅覚に優れ、学習能力が高いため、一度覚えた食べ物の味に執着し、エサがあった場所には再度出没することがあるため、エサとなるものを放置しない。

【関連リンク】
新潟県鳥獣被害対策支援センター

新潟県 報道資料より

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