中国漢方とツボで免疫アップ 免疫アップの五つのツボ(後編)

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自宅でできる指圧、お灸 免疫アップの五つのツボ

Q. 免疫機能の向上と、指圧の関係は?

A.

中国漢方では免疫を、「Wei Qi(正気=せいき)」と言うと、前回お話ししました。「気」はつまり体のエネルギーで、それが正しい状態にあれば、体は外敵とも闘うことができ、健康状態を保てるという考え方です。

指圧と免疫について語る前に、経絡について簡単に説明しましょう。経絡とは、体の中の気血(気、血、水など、生きるために必要なもの。代謝物質)の通り道です。 経絡にはいくつものルートがあり、それに沿って無数の経穴、つまり一般にいう「ツボ」があります。胃のツボ、腸のツボなど、それぞれのツボはさまざまな器官、臓器、筋肉など、あらゆる部位と関連しています。

これらのツボを刺激することで、免疫機能/Wei Qiの向上が期待できます。ここでは五つのツボを紹介します。「足三里(あしさんり)」「風池(ふうち)」「兪府(ゆふ)」「合谷(ごうこく)」「列欠(れっけつ)」です。

これらのツボを押す(指圧)、鍼(はり)を刺す、またはモグサを置くことで(灸)、ツボを刺激し、免疫を強化することにつながります。本当に効果を期待するなら、州免許を持つ指圧師によるマッサージを受ける必要がありますし、鍼治療は自分ではできません。ですが、日常生活にツボの刺激を取り入れることは、自分の体を意識する上でもぜひやっていただきたい健康法です。自宅なら家族に押してもらうこともできます。

さらにモグサは近年、オンライン・ショッピング・サイトのアマゾンなどでも簡単に使えるものが安価で販売されています(今週の英単語参照)。お灸をするときは、肌の上に薄くスライスしたショウガを置き、その上にモグサを置くと、ぽかぽかしてさらに気持ちいいですよ。

Q. 足三里、風池、兪府とは?

A.

足三里は、万能ツボといっても過言ではありません。免疫強化にも最も効果的なツボで、ここを刺激することで体全体の気を浄化・強化し、免疫/Wei Qiを活性化します。場所は、膝の皿の下から指4本分くらい、スネの中央から少し外側。ここを親指でグーっと押します。体に精気を取り戻し、疲労・倦怠感を緩和し、筋肉の状態や消化も良くします。

風池は、首の後ろにある大きな窪みの外側左右、髪の生え際辺りにあるツボです。読んで字のごとく、「風(邪)」の侵入から体を守るツボ。ここを刺激することで、風邪やインフルエンザの予防、症状の緩和に効果があります。

兪府は、左右の鎖骨の下、胸骨との間にある窪みです。「兪」は輸送、「府」は集まるという意味で、腎気が足から胸に運ばれ、最後に集結するのが兪府です。免疫をコントロールし、リンパ球を育てるツボと言われ、ぜんそくなど呼吸器系疾患の緩和に効果があります。

Q. 合谷と列欠について教えてください。

A.

合谷は、強力な抗炎症ツボです。左右の手の甲の、親指と人差し指の付け根の間の窪んだ部分。風邪やインフルエンザの予防、鼻水や鼻詰まり、頭痛、喉の痛みなどを緩和します。気の流れを促し、鎮痛効果もあります。注意点は、妊娠中の女性はこのツボを押さないようにすることです。

列欠は、手首内側の脈を取る場所から少し肘側にあります。ズバリ肺経のツボで、ここを刺激することで、肺から病原菌を排出するのを助けます。太古から、風邪やインフルエンザの初期治療に使われたツボ。発熱や悪寒、喉の痛みも緩和するといわれます。

リン・ゼン先生 (Ling Zheng, LAc)

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ニューヨーク州免許取得鍼灸師(LAc=Licensed Acupuncturist)。 中国福建医科大学卒業後、病院勤務や世界保健機関(WHO)医師団での活動を経て来米。 全米鍼・東洋医学認定委員会(NCCAOM)認定鍼灸師(Diplomate of Acupuncture)。 アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎などの皮膚疾患、痛み、更年期障害、うつ、不眠症の治療など。 マンハッタンで1994年開業。 日本人患者の治療経験が豊富。

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