『東京オートサロン2021』は新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて中止になってしまったが、1月16日と17日の2日間、富士スピードウェイに展示予定だった車両が集まり、ネットライブ配信で紹介する『オートサロンTV』が実施された。
発売まもない新型モデルから、お馴染みの定番モデルまで、メーカー&ショップの想いがこめられた、自信の1台が集った『東京オートサロンTV』。
今回は“一堂に会して、ファンの前で競い合う!”という願いはかなわなかったが、それでもライブ会場では魅力的な車両を見つけることができた。
チューニングから都会派ドレスアップ、オフロード&アウトドアメイク系まで、見所満載のカスタムモデルが揃う中で、ひと際目を引いたのが2019年にデビューしたトヨタGRヤリス。
久々に登場したサーキット直系モデルだけに、オートスポーツwebとしても気になる存在だ。
会場に集まったGRヤリスのデモカーを見る限り、今年は空力パーツと吸排気系を中心に組んだ車両が主流。
1280kgの軽い車重に対してパワースペックは272ps/37.7kgmと素のままでも十分遊べるモデルだけに、開発に時間がかかるエンジンチューンよりも、費用対効果に優れるエアロパーツやブレーキ&エキゾースド系を優先したようだ。
とはいえ、高性能ターボとはいえ素のままの動力性能で満足できないという声も多く、何社かはGRヤリスの潜在力を引き出すレシピを開発しているとコメントしていた。
さらに、ショップからは「今回は来場が叶わなかった」「開発が間に合わなかった」という声も多かっただけに、2022年に向けてよりカスタムに力が入った多くのGRヤリスに出会えそうだ。
定番モデルのニッサンGT-Rやスカイライン、スバルWRXも変わらず元気いっぱい。
例年、新たな要素がプラスされた魅力的なカスタムカーが出揃うが、今年はCPUや吸排気系、サスチューンに新レシピを注いだ車両が充実していた。
定評のある市販パーツをベースにプラスαの独自エッセンスを加えることで、コスパ良く遊べるストリート仕様というのが、今年のトレンドになりそうだ。
ちなみにここ数年、年を重ねるごとに存在感が増しているSUVの躍進は今年も健在だ。
流麗なシルエットに仕上げる定番スタイルに加えて、オフタイヤ&オフホイールにリフトアップを組み合わせることで、タフギア感を強める“オフ系”スタイルの車両も多く見かけることができた。
この無骨な魅せ方のエッセンスはミニバンにも波及し始めているなど、今年のトレンドのひとつになりそう。
スズキ・ジムニーやトヨタ・ランドクルーザーに似合っているのは当たり前として、トヨタRAV4やトヨタ・ハリアーなどのアーバンSUVにもしっくりキマっていたのが印象的だった。
またコロナ禍がもたらす影響なのか、内装メイクで車内を居心地良く仕上げるコーチビルダー系の元気の良さも見逃せない。
スズキ・エブリィに完成度の高いスワップキットを組み込むことで『ジムニー顔』を再現したこの車両。
2インチアップのスタイリングも極めて自然で、抜群の完成度を感じさせてくれる。さらにカスタムオーダーではなく、コンプリートカーキットとして市販されているということも驚きだ。
今回の車両コンセプトは、ファミリーでのキャップユースや車中泊を想定した室内カスタム仕様。別途オプションになるが、この仕様で提供することも可能とのことだ。