うぐいすの初鳴日は対象外に…気象庁「生物季節観測」大幅縮小 動植物の確保難しく

 気象庁は今年1月から、動植物の動向で季節の移り変わりを調べる「生物季節観測」の対象を大幅に縮小する。近年は生態環境が変化し、対象植物の標本木を確保することや、動物を見つけることが困難になっていることが、縮小の背景にある。全国の気象台・測候所58地点で植物34種目、動物23種目を対象に開花や初鳴きなどを観測してきたが、今後は植物の6種目9現象が観測対象になる。

 生物季節観測は1953年に始まった。気象庁によると、同観測は季節の遅れや進み、気候の違いや変化を的確に捉えることを目的としている。あぶらぜみやうぐいすの初鳴きなどの観測があった。

 今後はあじさいの開花、いちょうの黄葉・落葉、うめの開花、かえでの紅葉・落葉、さくらの開花・満開、すすきの開花の6種目9現象が観測対象になる。沖縄気象台では、さくらの開花・満開、うめの開花、すすきの開花の3種目4現象を観測する。

 沖縄野鳥の会の山城正邦会長は「沖縄だと1月や2月でも、暖かい日があるとうぐいすが鳴いてしまうことがある。地域ごとに適した観測対象に見直したのであれば受け入れることができる。地球温暖化などを把握するためにも、科学的な手法や情報収集も検討してほしい」と話した。

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