雪道スタックの強い味方が人気 長岡・安達紙器工業の「スグラ」

安達紙器工業の雪道脱出具「スグラ」

 大雪により各地で車の立ち往生が相次ぐ中、紙製品加工の安達紙器工業(新潟県長岡市)の雪道脱出具「スグラ」の引き合いが昨冬の約2.5倍に増えている。丈夫な紙をメッシュ状に加工した用具で、タイヤが雪にはまって空回りした際、タイヤの下に敷いて使う。乗用車から2トントラックまでに対応できる強度を備える。

 同社の主力商品である収納ボックスにも使われている硬質パルプに切り込みを入れ、メッシュ状に成型した。ある程度水にぬれても、10回ほど繰り返し使えるという。

 2004年冬から販売するロングラン商品。少雪だった昨冬の販売は3100セット(1セットは2枚入り)にとどまった。しかし今冬は一転、年明けの大雪を受け、新潟市内のカー用品販売店などからも引き合いがあり、1月上旬までに約7500セットを販売した。

 利便性、機能性が注目され、ヤマト運輸長岡主管支店は今冬、集配用トラック350台に試験的に採用した。

 安達紙器工業は「発想は単純だが、加工には長年同じ素材を扱ってきた技術と経験が必要。取り扱いが楽で、周囲の車を助けることもできる」としている。

 希望小売価格は1セット1500円。インターネットやホームセンターなどで扱っている。

© 株式会社新潟日報社